同時に緊急連絡があった際の対応

~こんな時、みなさんはどうしている?~

その訪問看護ステーションの特色や、対応方法、マニュアルなどがある場合は、それらに乗っ取って緊急時の対応を行うと思います。
筆者が勤めていた訪問看護ステーションでは、医療保険で訪問看護を利用している利用者さんが過半数以上いた為、自宅でお見取りを希望している利用者さんが多かったです。
その疾患のほとんどが、がんの末期でした。その為、休日夜間の待機の際にはエンゼルケア(死後の処置)を行っている最中に、臨死期にいる別の利用者さんの家族から緊急訪問の要請の連絡が入ることもありました。新人の頃は1件の緊急訪問の対応でいっぱいいっぱいで「今別のお宅の対応で行けないので、少々お待ちください」とか「今すぐには向かう事ができません」などと言っては、家族から対応が悪いとクレームがあったり、自分でも対応の振りかえりをする際に、なぜあんな風に対応をしたのだろうと後悔することもありました。何度も対応時のマニュアルがあったらいいのに…と思いましたが、今振り返ると多面的に利用者さんを理解しなければならない訪問看護ではマニュアルは必要ないのだなと感じています。
訪問看護を初めて上記のようなケースで悩んでいる看護師さんはいますか?ここでは筆者がどのように乗り越えたのか知って頂き、それがヒントとなって今後の訪問看護に活かせることができれば幸いです。
では、どんなことを筆者はやっていたのか箇条書きで載せてみます。
1.契約時や初回訪問の際に、夜間や休日には一人でコール番をしているため、待たせてしまう事があるかもしれないが、必ず連絡を頂いたことに対して対応することを伝え、理解を得る。
2.最期を迎える利用者さんが家族と穏やかにお別れが出来るように、死期が近づいてきたら、訪問看護や訪問診療医に連絡して待て頂くように説明をしておく。
3.がんの臨死期は症状コントロールよりも、家族の気持ちが揺れ動く時期(お見取りを決意していたが、不安や悲しみ、恐怖が湧いてくるもの)なので、家族の気持ちに寄り添った声掛けを行う。
ふむふむ…と思いながらも、実践に移す事って難しいと思います。ここで筆者が新人の頃に家族に言ってしまった言動を振り返るとその内容は全て、筆者本人の想いや考えを利用者さんや家族に発した言葉なのです。難しいですがこのように、自分が発した言動を思い出してみて改善できる点はあるのか検討することも重要です。
しかし、訪問看護はその時、その時で一発勝負という状況です。もし、自信がない場合はセカンドのコール番や所長に対応をお願いしておくことも一つかもしれませんね。

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