新型コロナウイルス問題から病床数と人口から医療崩壊と都市封鎖(ロックダウン)の可能性を分析してみる

分析屋として若者にわかりやすく現状を伝えておきたい。4月18日更新

まず見えない敵と戦い、私たちが見えない所で戦ってくださっている、医療介護の従事者の皆様本当にありがとうございます。今の生活があるのはまさに看護師/訪問看護師様が日々奮闘して頂いている結果だと感じております!!

さて本日は4月8日で過去の記事を更新しているのですが3月29日に記事をアップしているのですが「安倍総理の言っている患者の見立てがノーチー先生と同じでビックリしましたwww」とコメントを頂きましたwww一応私も分析屋なのでおそらく国が考える分析の仕方とは大きくは変わっていなかったんだと思います。

さてこの新型コロナウィルス問題が大きな問題になっている昨今ですが、若者たちの意識もまた問題視されております。ただきっと若者達に関わらず、大人も含め「医療の現状」が良くわからない!!というのが正直なところだと思うので、私が出来る事、つまり分析屋として今起きている「新型コロナウィルスと医療崩壊の問題」をシンプルにしてお伝えしていきたいと思います!!過去には看護師不足を分析した講義もあるのであわせてご覧ください。

2019年/2018年とか最新の各種統計情報から看護師不足を分析してみる~データーサイエンティストのーちー先生が分析してみた~

私が出来る事は分析屋としてなので、医療者としての意見ではない事は予めご了承ください。また状況をシンプルにお伝えしていきたいと考えているので、難しい分析や細かな数字での分析結果ではない事も予めご了承ください。あくまで「なるほど!!こんな状況なのか!!」と若い方に現状の理解をざっくりと理解してもらえれば!!

本日のテーマは「新型コロナウィルス問題から考える、人口と病床数(ベッドの数)からどれだけの危機(ロックダウンと医療崩壊)が待っているのか?」を講義していきたいと思います。それでは本日のポイントです。※本日は看護師様や医療介護従事者だけではなく、普段医療介護に触れる事のない方に向けてがメインになります!!

本日のポイント

1:都道府県毎の人口と病床数(ベッドの数)から新型コロナウィルス問題を解説する
2:まずは東京のロックダウン(都市封鎖)の可能性を新型コロナウィルス患者推移から分析してみる
3:新型コロナウィルス問題で一人一人が意識しなければいけない事を考えてみる

それでは講義のスタートです!!

1:都道府県毎の人口と病床数(ベッドの数)から新型コロナウィルス問題を解説する

さあこの新型コロナウィルス問題を考える時に大切なのは病院の数ではなく、ベッド(病床数)の数が大切になります。むむむ?なんで??と思わずに安心してください!!

例えば100名の人口の街に、ベッドが10床しかなかったら、最大何名入院できるでしょう??そうですよねベッドが10床しかないので、10名しか入院できません。つまりもしも感染率100%で100名コロナに感染してしまったら、こんな状況になってしまうのです。

もしも10床しかなく、人口100名の街で100%コロナに感染してしまったら・・・

△前提条件:ベッドの数(病床数)→10床しかそのエリアになり
10名→その地域に別途は10床なので入院できます
90名→ベットがないので入院できません

これって恐ろしくないですか??今は凄く極端な話をしてしまっていますが、つまりベッド(病床数)の数以上に入院をさせることが出来ないのです。これがまさに現状直面している日本の課題になるわけです。それでは各都道府県に何名人口がいて、そしてどれくらいベッド(病床数)があるか表で見てみましょう。

新型コロナウィルスに感染してしまったら、大前提として感染病床に入院していただく事がベストではありますが、全国でみても約1,800床程度しかないので、現実的にはこれをマックスとしてしまうとすでに医療崩壊しているとしか言えなくなってしまうので、一般病床を使える(わりあてしてもらえる)を前提の仮説として考えていきます。感染病床に関する厚生労働省のデータがありましたので下記にリンクを張っておきます。

https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou15/02-02-01.html

データ出所
人口データ:総務省(https://www.stat.go.jp/data/nihon/02.html)
病床数データ:厚生労働省(平成30年2月データより)

当たり前ですがベッド(病床数)は限られれております。そしてもう1点気にしなければいけないのが病床稼働率になります。10万人に対する病床数なんてデータも医療関連の仕事をしていると有名なデータではあります。そして稼働率とは何かといえば、どれくらい今ある病床数を使っているの??という意味になります。

つまりもしも100床あったとしても、稼働率が80%だったら空いているベットは20床敷かないという事です。では現状の日本ではベットの稼働率はどれくらいなのか?を考えれるとまさに約80%がもうすでに使われているのです。
※https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/byouin/m18/dl/01-kekka.pdf

つまりコロナの問題だけに関わらず、入退院は日々対応されているので、約20%しかコロナ患者様用に使えるベッドがないという事なのです。ではざっくり稼働率を80%と考えると、どれくらのベッド(病床数)が各都道府県に残されているのか考えてみましょう。

特に今気にしなければいけないのは首都圏であり東京でしょう。東京は総病床数(一般病床+精神病床+感染症病床+結核病床+療養病床)が128,320床あると言われているのですが、コロナ患者様を療養病床(高齢の方や寝たきりの方が多い病床)に入院させるわけにはいかないですよね?

前提条件としては感染病床に入院して頂けるのがベストだと思いますが、さすがに全国で1,848床しかない為に、一般病床を上手く利用せざるを得ないでしょう。そう考えると128,320床から療養病床23,933床を引いた104,387床が東京都のマックス受け入れられるベッドの数と予測されます。しかし稼働率で考えると約80%がすでに使われているので、コロナ患者に最大で使えるベットは約20%の20,877床が現状想定される中でのマックスの感染患者の受け入れ可能数とも考えられます。これって実は東京都の人口のたったの0.15%を意味するのです。そして本当に最悪のケースで考えているので現実的には、新型コロナウィルスの患者だけに病床を使う事も出来ないため、この半分の病床数約10,000床がどう考えても限界だと思います。半分でみても多いくらいかもしれません。

上記は最悪のケースかつ、病床数として苦肉の策として最大使えるとしてという考えではありますが。今皆様が住んでいる都道府県は最大どれくらいのベッドがありそうですか?あくまで推察になってしまいますが、図に書いてある「空き病床数予測」の数を新型コロナウィルス患者が上回ってしまうと、医療現場が崩壊してしまう可能性があります。昨今のキーワードの医療崩壊というやつです。病床稼働率はエリアにより異なり90%近くになる時もあります。そしてベットよりも人工呼吸がそもそもそんなにあるのか??という問題も変数としては残っている事は無視できません

なので可能性として考えるのであれば、この空き病床数の半分の数字を超えるような事があれば、それはまさにロックダウンの可能性も高く、オーバーシュート(爆発的患者増)になっているといえるでしょう!!私もお付き合いのある訪問看護師様や病棟看護師様、病院、訪問看護ステーションの関係者の方とお話ししていますが、今現状すでにマスクも入手できず本当に大変な状態だとおっしゃっておりました。

※稼働率は都道府県によっても異なる為あくまで参考値として捉えてくださいね。
※またあくまで予測であり、いたずらに危機感を煽る事が目的でもありません。

自分の住んでいる都道府県の病床数って意外と少ないな??って思いませんでしたか?そうなのです、多分初めてこのような話に触れる若い方や医療系の統計に触れていない方は「こんなに病床数って少ないのか・・」と思ったはずです。つまり、新型コロナウイルスのように突然大量感染してしまうと、入院する事が出来なくなる!!つまり「医療崩壊の危険性がある」というのをまず知っておかなければいけません。

こう言われたらさすがに外出するのは確かにまずいな。。。とかイベント開催するのはさすがにまずいな。。。という思いが出てくると思います。そうです、家にいる事だけで救える命があることは忘れてはいけません。

それでは東京都の感染推移データを見ていきながら、最悪のケースでは何が起きるのか考えてみましょう。それを元に是非日々の行動を変える必要性を感じていただければ。

2:まずは東京のロックダウン(都市封鎖)の可能性を新型コロナウィルス患者推移から分析してみる

それでは次に東京都が発表しているオープンデータをみていきながら「空き病床数予測」となる20, 877床が埋まってしまう可能性を少し考えてみましょう。

まず令和2年3月29日の東京都が公表しているオープンデータをみてみると、印象とは別に20代や30代も多く感染している事がわかります。ニュースなどをみると心象的には高齢者がかかり、若者はそんなにかからないのでは?と思われがちですが、重症化するか否か?は置いておくと、20代でも51名、30代でも72名と60代以上と、正直大きな差になっていません。これはは正直私も意外でした。。。。もっと圧倒的に60代以上がかかっていると思っていたのですが、印象というのは怖いですね。

どこまでを若者と定義するかにもよりますが、実数をみる限りどの年齢にも非常に危険なウイルスであることには変わりがないので、10代だから自分は大丈夫だ!!と思わずにしっかりと、冷静に状況判断し自宅待機する事が賢明でしょう。今の状況は最悪のケースを想定しながら行動する事が結果的に「何もなかった」という安心をうめる可能性があります。

それでは次に東京都の感染者数の推移を週単位で見ていきましょう!!新型コロナウイルスは2週間で収まるという前提条件(この前提条件はまだ不明確であり、あくまで分析の為の暫定的な前提として)を加味して、累積の人数は「今週+先週」のみにしておきましょう。これらを元として考えて、分析屋っぽく感度分析してみましょう!!

パターンとしては4パターン

1:ポジティブに考え、患者の増加推移が120%だと書いてした場合
2:ニュートラルに考え、患者の増加推移は今ほどではないが150%くらいで推移した場合
3:ネガティブに考え事実3月3週に起きた213%の推移をした場合
4:最悪に考え、事実3月4週に起きた596%で推移した場合

以上の4パターンで推移を計算した場合、都内にある空き病床数である約2万病床は3月30日を起点としてあと何週間でパンクしてしまう(医療崩壊)可能性があるのか考えてみましょう!!

上記図を見ていただきながらコロナ患者数の2週間での累計が約2万人を超えた部分が医療崩壊がおこりうる危険ラインだと想定すると、120%の推移であれば、約20週つまり5か月後に東京都のコロナ患者は危険ラインに到達すると考えられますが、逆に5か月で考えれば様々な施策もあり、落ち着いている可能性も高いのかな??とも思います。

W=7日間で考えているので1日にどれだけ感染者が出てしまうと、ポジティブストーリーなのか?ワーストストーリーなのか?も併せて考えてみましょう。例えばもしも213%の先週比のコロナ患者数の推移だとすると、1日で東京都で「88名」感染者が出てしまえば213%以上の推移となってしまっている事になります。

※4月15日更新:4月15日現在で考えてみるとついに都内の1日患者数は4日に117名、5日に143名増加し、4月11日には過去最多となる197名、4月14日には161名の感染者いるために、ポジティブストーリーで考えていた週合計120%増や週合計150%増というのは残念ながら簡単にクリアしてしまっている為、非常事態宣言が出た理由というもの間違いありませんね。東京都のオープンデータを下記にリンクしておきます!!

https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/

つまりですが・・・今後の動きは細かく見る必要がありますが、213%以上の推移という事は6週間後、つまり5月11日の週や5月18日の週くらいからは完全に病床数が埋まってしまい、完全に医療崩壊している可能性がある為に、改めてこのペースを下げる為には「STAY HOME」が重要だという事が理解できると思います。

※4月18日更新 東京都の新型コロナウィルス患者は17日に東京都で201名をという数値になり、過去最多数になってしまいました。まさにココが正念場となる為改めてSTAYHOMEが重要になってきますね。

ネガティブストーリーの約600%の先週比推移で考えても週で1740名の患者様の増加、つまり1日に東京都で約248名患者様が増えてしまえば、ワーストストーリーだと想定されます。つまり現状はまさにオーバーシュートになってしまうか否かの瀬戸際であるというのは、この数字からも想定されますね。

一方でネガティブや最悪のケースを考えると、オーバーシュートになってしまえば3週間後~6週間後(4月中旬~5月中旬)には東京都だけでのコロナ患者数の2週間累計が2万人を超えてしまう見立て、つまり医療崩壊になる可能性があります。これは病床数が最大使えた時を想定しているので、稼働率や病床の確保ができない!!となってしまったら、もっと早いタイミングで医療崩壊の可能性もあります

さらに言えば現状の変数は病床数と稼働率でみていますが、そもそも人口呼吸器がそんなにあるのか?も問題になりますし、一般病棟にはそもそも解放できない!!となれば、いきなり話は変わります

もちろん最悪のケースで想定しているので、こうならない事がベストではありますが、一方直近のパフォーマンスで考えると、楽観的に否定も出来ないというのが現状にはなります。

もうしばらく数字の動きをみなければロジックを出すのは難しいですが、そうならない為には、まずは改めて一人一人が出来る事を意識しなければいけないと感じております。

3:新型コロナウィルス問題で一人一人が意識しなければいけない事を考えてみる

ここまで書いてきて「本当にそんな事起こるのだろうか?」が事実だと思います。目に見えない敵になる為に、現実味が湧かないというのが正直な所でしょう。ただ私の知っている看護師/訪問看護師様たちの話を聞いている限りは、ただ事ではない事は間違いありません。医療崩壊の足音はそこまで来ているという事です。

何もない事が一番良く、「何にもなかったねー!!」とみんなで笑いあう事ができる未来こそが素晴らしいのです。海外と比べて、少し日本は危機感がないとも言えます。命に勝るものはありません。今は慎重に慎重に、事実を楽観視しすぎずに、自分が出来る事を一人一人が対応してみましょう。

何をすべきなのかはわからない事もあると思います。ただ指針として出されている3つの密を避けることは、誰しもが心掛け1つできっと出来ると思います。

「換気の悪い密閉空間」「多数が集まる密集場所」「間近で会話する密接場面」

改めて、若い方も、年配の方も、「何もなかった」と笑えるように今は慎重に行動しましょう。外出しないというのは、誰にでも出来る事ですよね?家にいても楽しめる方法を考えることもまた一興です。せっかくだからたくさん本を読んでみたり、テレビをみたり、もちろんYouTubeをみたい。この機会だから家族といたり、恋人といたり。振り返ってみて後悔してしまう行動をする前に、慎重すぎるくらい慎重に。今はそれが良いと思います!!

自分だけは大丈夫!!そう思った人が感染してしまう可能性がある恐ろしいウイルスであることは改めて認識しないとですね。

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