自分らしく働ける訪問看護ステーション

自分らしく働ける訪問看護ステーション

現在は多くの訪問看護ステーションが全国各地にあります。
平成5年の全国の訪問看護ステーション数はわずか277件だったのに対し、平成28年には9070件まで増えています。
高齢社会のいま、入院期間短縮により医療依存度の高い患者さんが多いことから、訪問看護のニーズもますます重要とされています。
そんな中、訪問看護に興味を持っている看護師も多いのではないでしょうか。それと同時にこんなに多くのステーションの中から、どこに就職すればいいのか迷っている看護師もいると思います。
ここでは、自分らしく訪問看護師として働けるような職場を選ぶための参考となる情報を載せていきます。

訪問看護ステーションの特徴を自身の目で把握しておく

筆者が就職したステーションは、訪問看護の経験がない看護師が開業した訪問看護ステーションでした。開業して1年目になる真新しいステーションでしたが、看護スタッフは常勤換算ギリギリの2.5人(看護師が2.5人以上いないと訪問看護ステーションは法律上営業できません)で、新人の私への指導というものがなく、一度同行しただけで「次は一人で訪問してきて」という状態でした。その当時を振り返ると、指導がない環境のなか、慌ただしいステーションに就職したことに後悔をしていました。しかし前向きに考えてみれば、そんな厳しい環境でかなり精神的に鍛えられたかなと感じていますが…。 訪問看護に憧れを持ち、就職を考えている方には是非、訪問看護ステーションの見学をしてみてください。見学を通して、そのステーション内のスタッフの雰囲気や仕事の様子を把握することをお勧めします。 就職前に見学をすると管理者と話す機会がありますが、スタッフと訪問へ同行するチャンスもあります。その際に、スタッフ目線で仕事の状況や働きやすさなどを情報収集することができます。

何に特化したステーションか

訪問看護ステーションは、そのステーションで力を入れている分野が違います。例えば、リハビリスタッフが多くいる職場は、リハビリに力を入れている場合があります。また、小児看護や終末期の看護に力を入れているステーションもあります。 筆者はがんの終末期に力を入れているステーションだった為、状態の変化が早く、それに対応するために医師や家族と連絡を取るため残業が多く、夜間や休日の緊急訪問も沢山ありました。それなりに勉強になったことは事実ですが、子どもがまだ小さかった為、夫に協力をしてもらいながら急変時の対応も行っていました。休日にコール番の時は、家族で外食中でも電話が鳴って出動する事もしばしばありました。休日の夜間にも連絡があるのではないかと思うと、慣れるまでなかなか体も心も休めない状況でした。 24時間対応を行っているステーション、行っていないステーションがあるため、そのような勤務体制の状況も把握する必要があります。

これだけは調べて決めたい就職先1

以上の事を踏まえ、就職を決める前に情報収集を行って欲しい内容をまとめてみました。 1.看護師の勤務している人数 そのステーションで抱えている利用者さんの人数と、看護師が受け持つ利用者さんの人数を把握しておきます。また、常勤か非常勤かも把握しておく必要があります。 常勤か非常勤で、受け持つ利用者さんの人数が異なるため、月末に提出する報告書の作成する件数が異なります。ホームページで看護師の紹介を載せている場合がありますが、公表していない場合は見学に行った際に把握しておきましょう。 2.看護師の勤務状況の把握 これはかなり重要な内容だと思います。残業時間、夜間・休日の緊急訪問の稼働時間は絶対に把握が必要です。忙しいステーションは残業や緊急訪問が多く、看護師の精神的にも体力的にも疲労困憊状態が続いてしまいます。訪問看護は勉強しなければならない範囲も広いため、勉強する時間の確保も必要です。その訪問看護ステーションの勤務状況を見学で把握し、自分の生活スタイルと照らし合わせて勤務が可能かをイメージしてみてください。

これだけは調べて決めたい就職先2

上記に引き続きになります。 3.教育体制 特に訪問に経験がない看護師は、制度の事はもちろんの事、在宅特有の看護を教わらないと全く分かりません。筆者が経験したように、忙しく教育体制もない中一人で訪問に行くことは大変怖い事です。そのため、訪問看護に慣れるまでフォローしてくれるのかを把握しておく必要があります。これも直接見学時に確認できるといいですね。 4.管理者のキャラクター 管理者も人なので、イライラすることもあれば穏やかな時もあります。ステーションの雰囲気は管理者で左右されるときもあるため、どんな人なのか把握しておきましょう。見学の際に、スタッフに聞いてみると確かな情報は得られやすいと思います。訪問看護は小さな集団なので、スタッフや管理者との人間関係は重要です。実際、訪問看護で働く人の大半は子育て中のママが多いです。その背景には土日祝日が休みであり、夜勤がないため家族のスケジュールに合わせやすいからです。筆者も24時間体制の総合病院よりは人間関係が良好のように感じています。しかし、ステーション内がピリピリした環境なのか、和気あいあいとした環境なのか、そのステーションで違ってくるため把握しておきましょう。 5.自分が希望する勤務スタイル 常勤でバリバリ働きたい、子育てと両立したい、扶養内で働きたい…それぞれ働き方は違ってきます。自分はこういう働き方がしたいという確かな条件があれば、それを酌んでくれるか必ず管理者へ相談しましょう。実際常勤で就職したら残業が多くて、「常勤だけど、実は定時で帰らないと保育園に間に合わない」という事があったら就職したことに後悔してしまいます。必ず自分の勤務条件を挙げた上で、面接に挑みましょう。