訪問看護師はこんな仕事もするの!?

訪問看護師はこんな仕事もするの!?

訪問看護の仕事は、利用者さんの家に訪問して看護を提供することですが、実は「これも看護師の仕事なの!?」と驚くことがいくつかあります。
ここでは、すべての訪問看護ステーションが当てはまる事ではないと思いますが、そのステーションによってはその可能性があるかもしれません。

営業活動

筆者は個人経営のステーションで勤務していた為、近隣の病院やクリニック、他事業所のケアマネジャーなどの依頼がなければ訪問することが出来ません。 母体が総合病院の訪問看護ステーションは、病院の患者さんが利用することが多い為、赤字にならなければ良しとするステーションがほとんどです。 しかし、個人経営の場合、先に述べたように依頼がなければ訪問ができません。 その為、ステーションの空き状況を常時ホームページで更新したり、年末年始にはカレンダーを持参して他事業所や病院、施設、クリニックへ挨拶回りを行っています。筆者が勤務していたステーションでは、このような営業活動を訪問の合間に行っていました。 利用者さんの訪問以外にも営業に出向くことは手間がかかりますが、メリットもあります。 他の訪問看護ステーションに営業に行くと、そのステーションの中を拝見出来たり、スタッフがいれば「こんな利用者さん(疾患)が多いですよ」や「今は仕事が忙しくて」というような仕事の状況をお話しする機会となり訪問に関する情報共有ができます。 筆者は他のステーションに営業に伺った際に、頑張っている看護師が他にも沢山いるのだと感じ仕事を頑張れました。

地域のイベント活動

筆者が勤務していた訪問看護ステーションでは、地域でのお祭りや催し物があった際に、もっと訪問看護について知ってもらう目的で参加をしていました。 そこでは利用者さんが作成した物を販売したり、介護相談を行っていました。 これらはスタッフが主体となって毎年行っているものです。 実際、「訪問看護って何?」「家に来て何するの?」というように訪問看護に対してまだなにも分からない人が多い事も事実です。 また、今は便利な介護用品が揃っていますが、そのような最新の情報を知らずに、介護を頑張っている人も地域には沢山いるようです。 訪問看護師は、自身のステーションのPR活動以外にも、訪問看護という職業を地域に知ってもらったり、介護の工夫や方法、介護用品などの情報提供することが地域への貢献へとつながる大切な役名もあるのだと感じています。 このイベント活動は、すべてのステーションで行っているわけではなく、一部のステーションの活動のようです。 仕事以外の活動でしたが、地域の人の訪問看護に対する情報が意外と少ない事を知り、今後もこういった活動も大事な事だと感じました。

警察の対応にも訪問看護が必要な場合がある

自宅で療養生活を送っている利用者さんは、必ず訪問診療医が介入しているという訳ではありません。 定期的に通院をして訪問看護を利用している人も多くいます。 利用者さんの身体状態が悪くなると、通院も困難になるため訪問診療医を導入することが多いのですが、利用者さんや、その家族によっては、「訪問者がこれ以上増えることに抵抗がある」場合や「金銭的に導入が難しい」「通院している病院の先生以外に診てもらうのに抵抗がある」など様々な理由で、医師が介入できない場合があります。 そのような状況で、突然利用者さんが息をしていない場合、救急車と一緒に警察が必ず関わります。 訪問看護師もそのお宅へ訪問して警察官へ訪問時の様子や身体状態の経過をお話しします。 訪問看護はのんびりしたイメージがありますが、このようなケースの急変時には警察官への対応が出来るようにしなければなりません。 もし、このような状況になった場合「分からない」とは言えないので、週1回の訪問回数の利用者さんでも、前回の症状やフィジカルアセスメントの結果を分かりやすく述べることが重要です。 訪問看護は、医療職や介護職以外の職種とも関わる機会が多いです。 この事から、訪問看護は地域で活躍する場の多い職業という事が分ります。 多くの人と関われる職業だからこそ、看護師業務以外にも営業活動や、イベント活動も大事な仕事の一つであると感じます。

文章を作成する機会が多い

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、訪問看護師は月に1回、その利用者さんの訪問の状況を報告書として医師へ文章で報告をしています。 他には、病院へ入院したり、施設へ入所したり、別の訪問看護へ変える時などには必ず看護サマリーを作成します。 他には、訪問先で行う処置内容を記した手順書も看護師が作成します。 これは、訪問先で自分以外の他の看護師が訪問しても同じ手順で看護を提供できるという目的で作成しています。 在宅は使用している物品も異なります。体を触る際にも、触り方一つで緊張が高まってしまう利用者さんもおり、そうなると訪問看護に対してストレスを感じてしまいます。 同じステーション内の看護師がみんなでケア内容に共通した注意を払えば、継続したその利用者さんのためのケアができるようになるため手順書作成は必須です。 このように、訪問看護師は文章を作成や手順書作成を行う機会が多い為、訪問以外にも必要な事務的業務が非常に多いです。 筆者が勤務していたステーションでは勤務時間外になってしまう月もありましたが、人に伝えるための文章を作成するための能力は養う事が出来たのかなと感じます。