訪問看護のオンコールってきつい？ストレス対策や働きやすい職場の探し方を紹介

「訪問看護のオンコールって精神的にきつい？」

「訪問看護のオンコールって何がきついの？」

と、訪問看護の仕事に関心を持つ看護師の多くが、オンコール勤務に対して不安を抱いています。

実際、「夜間に急な呼び出しがある」「家族との時間が削られる」といった悩みを理由に、オンコールを“きつい”と感じている声をよく聞きます。

在宅医療を支えるために重要な仕事ですが、看護師にとって心身に大きな負担がかかりやすい勤務形態です。

そのため、自分にとって無理のない働き方や、オンコールのない職場・少ない職場への転職を検討する人も増えてきてます。

この記事では訪問看護でのオンコールの実態やストレスを減らす方法、さらにオンコールが少ない・発生しづらい職場まで、看護師目線でわかりやすく紹介します。

訪問看護のオンコールとは？

訪問看護のオンコールは、夜間や休日などの勤務時間外に自宅で待機し、緊急時に対応する体制を指します。

オンコールは、利用者の急変時に速やかに対応し、安全な在宅療養を支える重要な業務ですが、心身への負担が大きく、訪問看護師にとって悩みの種となりやすい一面もあります。

オンコールの勤務内容や頻度、報酬体系はステーションによって大きく異なるため、あらかじめ具体的な制度を把握しておくことが重要です。

以下でオンコールの特徴について詳しく解説していきます。

夜間や休日の電話対応や必要に応じて緊急出動

訪問看護におけるオンコール勤務では、夜間や休日に次のような対応が求められます。

オンコール中は常に携帯電話を所持し、連絡が入った場合には即座に対応します。

特に認知症の利用者や重症度の高い疾患を抱える方の場合、深夜の出動が必要になるケースもあるため、生活リズムや睡眠への影響が発生しやすくなります。

精神的な緊張状態が続くことから、オンコール勤務に強いストレスを感じる訪問看護師も多いです。

オンコール手当の相場

オンコール勤務は、通常の基本給とは別に「オンコール手当」が支給されることが一般的です。

オンコール手当は、待機の有無や出動の回数、勤務時間帯などによって異なります。

勤務内容	手当の相場（1日あたり）
夜間・休日の待機のみ	1,000円～3,000円
緊急訪問が発生した場合	1回あたり3,000円~5,000円 + 時間外手当

実際に出動が発生しない限り手当が最低額に抑えられる場合もあり、勤務の実情と報酬が見合っていないと感じている看護師もいます。

オンコール体制のある勤務先を選ぶ際は、手当の内訳や支給条件を必ず確認することが大切です。

訪問看護のオンコールの待機回数は月平均で5~6回

訪問看護師がオンコール当番を担当する平均的な回数は、全国的に見ると月5〜6回程度とされています。

オンコールの待機頻度は、看護師の在籍数や勤務体制によって変わるため、訪問看護ステーションの規模が大きいほど負担が分散される傾向にあります。

勤務内容と待機回数のバランスが、自分の生活に合っているかどうかを見極めましょう。

訪問看護のオンコールがきついと感じる主な理由

訪問看護師がオンコール勤務を「きつい」と感じる主な理由は、心身の疲労が複数の側面から積み重なる点にあります。

特に夜間や休日の不規則な対応は、体調やメンタルに影響を及ぼしやすく、職場への不満や離職につながることもあります。

以下でオンコールがきついと感じる理由を詳しく解説していきます。

生活リズムが崩れる

訪問看護のオンコール勤務は、夜間や早朝に連絡や出動が発生するため、規則正しい生活習慣を維持しにくい勤務形態といえます。

睡眠中の呼び出しにより、深い眠りを妨げられることが多く、翌日の業務にも悪影響を及ぼすことがあります。

訪問看護の仕事においては、利用者への的確な判断と安全なケアが求められるため、自身の健康な体調の維持が欠かせません。

生活リズムの乱れは、看護師の体調や集中力、さらには仕事へのモチベーションにも関わってきます。

常に緊張状態が続くので精神的に疲れる

オンコール勤務中の看護師は、「いつ連絡が来るかわからない」という緊張状態で過ごさなければなりません。

オンコール待機状態が長いと、気付かないうちに大きなストレスが貯まることがあります。

訪問看護師にとって精神面の健康は、利用者との良好な関係づくりや、緊急時の冷静な対応に直結します。

オンコールによる慢性的な緊張は、業務の質の低下や心身の不調に繋がるため気を付けましょう。

家族との時間やプライベートが奪われる

訪問看護のオンコール体制では、日中の業務終了後も電話や出動の可能性に備えて自宅で待機しなければならないため、家族との時間や自分のプライベートが制限されやすくなります。

特に休日や子どもとの時間を大切にしたい看護師にとって、オンコールは大きな障壁です。

また、時間の使い方に自由が利かないことで、満足度の低下や職場への不満に繋がりやすくなります。

訪問看護師の働き方は、生活とのバランスを取りながら継続していくことが理想です。

オンコールの頻度や対応方針が過度な職場では、家族との関係性や自己実現の機会が損なわれる可能性があります。

手当が見合わずモチベーションが低下する

オンコール勤務の支給手当が、実際の負担と釣り合わない場合、モチベーションは大きく低下してしまいます。

内容	手当の相場
待機のみ（連絡なし）	1,000円〜3,000円／日
緊急出動が発生した場合	3,000円〜5,000円／件＋残業代

精神的負荷や実働の負担に比べて金額が少ない、あるいは出動がない日は最低額しか支給されないなどの不満も報告されています。

訪問看護ステーションですけど、オンコール手当て以外に、出勤したら時間外手当てで一件2500円〜5000円つくとこもあります👀
でもオンコール手当は安いかも、、、2500円しかつかない、、、
引用：X

オンコール手当2000円
鳴らなくても手当がつくんだらいいじゃない？と経営者さんより言われました。
電話を持つ責任感
いつ出動になるか分からないから出かけられないという拘束
たった2000円で自由のない生活を奪われる。
だったら要らねぇよw
自由をくれ😇
引用：X

以下は、訪問看護のオンコール手当が1回いくらが多いのかをまとめた表です。

手当の相場	手当の区分割合
1,000円未満	6.6%
1,000~2,000円未満	34.2%
2,000~3,000円未満	31.0%
3,000~4,000円未満	10.1%
4,000円以上	7.9%
その他・未回答	10.1%

参考 : 全国訪問看護事業協会│訪問看護ステーションにおける24時間対応体制に関する調査研究事業 報告書

オンコール手当の内容が不明確だったり、十分な説明がされていない場合、看護師の信頼感や仕事への意欲が下がる可能性があります。

労力と報酬のバランスが取れている職場を選ぶことが、長く安心して働くためには非常に重要です。

オンコール勤務日の過ごし方

オンコール勤務日の過ごし方には、心身の負担を軽減しながらも迅速な対応を可能にする準備と工夫が必要です。

上記のように、訪問看護のオンコールでは、夜間や休日の突発的な連絡に即応できる状態を維持しつつ、生活とのバランスをとる工夫をしましょう。

オンコール勤務のタイムテーブル

オンコール勤務のタイムテーブルは、訪問看護師が心の準備を整えながら効率よく行動できるように設計されている必要があります。

時間帯	業務内容
17:30	通常業務終了・オンコール当番者へ業務引き継ぎ
18:00〜20:00	自宅で待機しながら食事や家事を行う
20:00〜22:30	待機をしつつテレビや読書などで気分転換を図る
22:30〜翌朝	寝支度を整え早めに就寝。携帯や制服は手元に用意しておく
翌朝8:30	オンコール終了。次の担当者へ情報共有と引き継ぎ実施

勤務当日は通常業務終了後に引き継ぎを行い、その後は自宅での待機体制に入ります。

電話連絡や緊急出動の可能性に備えた行動を意識しながら、自由時間と待機時間をうまく調整することが求められます。

オンコール当日は自由度が制限される分、無理のない生活リズムを保ち、緊急対応時にすぐ動ける環境を整えることが重要です。

安心してオンコール勤務をこなすためには、事前準備と自分に合った生活設計の工夫が欠かせません。

訪問看護のオンコールがきついときにストレスを減らす方法

訪問看護師がオンコールをきついと感じたときの軽減する方法は以下の通りです。

緊急対応に備えながらも心身をリラックスさせる工夫を取り入れることで、心理的な負担を軽減できます。

以下でストレスの和らげ方を詳しく説明していきます。

とにかく自宅でゆっくり過ごす

オンコール当日は、外出や予定を控え、自宅で穏やかに過ごしましょう。

いつ呼び出しがあっても動けるようにするためには、緊張しすぎず、安心して待機することが重要です。

気が休まらない状態が続くと、精神的疲労が蓄積しやすくなります。

オンコール勤務中であっても、リラックスした時間を意識的につくることで、ストレスを抑えることができます。

オンコール対応時の行動をパターン化しておく

事前にオンコール対応に備えた行動パターンを決めておきましょう。

オンコール対応時に役立つパターン化の例は以下の通りです。

事前準備の項目	内容例
電話対応フロー	状況確認 → 医師への連絡 → 必要に応じて訪問準備
持ち物の確認チェック	訪問バッグ、医療器具、記録用紙の事前点検
出動時のルート確認	主要利用者宅までの道順をあらかじめ確認

突発的な状況に戸惑わないためには、「やるべきことを迷わず実行できる状態」を整えることがポイントです。

同じ対応を何度も繰り返すことで、自然と不安が減り、落ち着いてオンコール業務をこなせるようになります。

緊急出動時を想定して対応を事前に考えておく

緊急出動が必要になった場合の対応を具体的にシミュレーションしておくことで、突発的な呼び出しにも落ち着いて対応できます。

訪問先までの移動手段や持ち物の配置、連絡先一覧の確認などをあらかじめ整理することで、不測の事態にもスムーズに対応しましょう。

通知音を緊張しないものにする

オンコール中の通知音がストレスに感じる場合は、音の種類を穏やかで落ち着いたものに変更してみましょう。

突然の大音量や刺激の強い音は、睡眠中や休息中に大きなストレスの原因となります。　

通知音そのものをストレスフリーにすることは難しいですが、音を変えるだけでも大きな違いが生まれます。

自分に合う職場を探してみる

オンコール勤務が長期的に負担になっている場合には、勤務環境そのものを見直すことも有効な選択肢です。

ポイント	調べるべき内容
オンコールの頻度	月何回か、分担方法はどうか
出動の実績	出動件数や時間帯の傾向
手当や支援体制	オンコール手当の金額や休息の取りやすさ

訪問看護ステーションの中には、「オンコール対応を分担制にしている職場」や、「夜間対応がほとんど発生しない施設」も存在します。

勤務形態や職場文化が自分に合っているかを再検討することが、ストレス軽減の大きな一歩となります。

転職や職場変更は大きな決断となりますが、心身の健康を守るためには現実的な選択肢といえます。

訪問看護師でオンコールがきついと感じる人におすすめの職場

オンコール勤務が心身の負担になっている訪問看護師は、オンコール業務のない職場や負担の少ない職場を選びましょう。

働き方に合った環境に転職することで、看護の仕事を続けながら心身の健康を守ることができます。

病院の外来

病院の外来部門は、基本的に日勤となるので、夜勤や休日勤務も原則的にありません。

急変対応も院内の専門スタッフと連携して行えるため、心理的なプレッシャーが比較的軽減されます。

勤務時間帯	平日8:30〜17:00が中心
夜勤・休日勤務	原則なし
休暇制度	年間休日が多く、有給消化率も高い傾向あり

残業も少ない傾向にあるので、家庭との両立を重視する看護師にとって良い選択肢となります。

クリニック

入院の受け入れをしていないクリニックでは、オンコール業務の負担がほとんどない点が魅力です。

診療時間は午前・午後の2部構成が多く、完全予約制のクリニックでは急な対応も少ない傾向にあります。

医療現場に関わりながらも穏やかに働きたい看護師にとって、非常に働きやすい職場といえます。

リハビリ特化型訪問看護ステーション

リハビリ特化型訪問看護ステーションでは、医療処置よりもリハビリ中心のケアが主体となるため、オンコールの発生頻度が非常に低くなります。

利用者の状態が安定していることが多いため、夜間の急変や緊急訪問がほとんどありません。

看護師はリハビリ職との連携を重視し、チームで動くスタイルが一般的です。

訪問看護のやりがいを感じつつ、オンコール負担を最小限にしたい方にとって良い選択肢となります。

介護施設

介護施設では、常駐する看護師が日中の健康管理や服薬管理を担当するスタイルが主流で、オンコール対応を求められることがほとんどありません。

医療依存度が比較的低い利用者が多く、慢性疾患や日常的なケアに集中できます。

夜間は介護職員が常駐しており、医療的判断が必要な場合のみ医師へ連絡する体制が整っています。

看護スキルを活かしながら穏やかな環境で働きたい方に向いた職場です。

健診センター

健診センターでの勤務は、健康な対象者への健診業務が中心となるため、緊急対応が発生しない点が最大の特徴です。

平日のみの勤務がほとんどで、土日祝日は休診日として設定されている場合が多く、ライフスタイルを重視する看護師にとって理想的な環境が整っています。

項目	内容
勤務時間	平日8:30〜17:00など、規則的な日勤のみ
対応内容	問診・採血・計測など、簡易的な看護業務
オンコール・夜勤	完全に発生しない

家庭との時間や、ワークライフバランスを大切にしたい方には特に適した職場です。

訪問看護師のオンコールがきついと感じにくい職場の傾向

オンコール勤務の負担は、ステーションごとの体制や職場文化によって大きく違っており、「きつい」と感じにくい職場には共通する特徴があります。

職場選びの段階で、働き方に合った条件を確認することが、長期的に無理なく働き続けるための鍵になります。

働く環境を見直すことで、オンコールに対するストレスを大きく軽減できます。

チーム制になっている

チーム制を導入している訪問看護ステーションでは、オンコールの負担が個人に集中しにくく、精神的な安心感を得やすい傾向があります。

複数名での情報共有や対応が可能になるため、万が一の事態にもサポートが得られやすくなります。

項目	内容
情報共有	患者ごとの経過やリスクを複数名で把握可能
緊急対応時の連携	他のメンバーとの連絡や応援が受けられる
当番分担	オンコール回数が少なく済む場合が多い

孤独感やプレッシャーを感じにくい職場構造が、精神的なゆとりをもたらします。

複数の視点で利用者を支える体制が整っている職場では、安心してオンコール業務を担うことができます。

利用者層の医療依存度が低い

医療依存度が低い利用者が中心の訪問看護ステーションでは、緊急性の高い対応が発生する頻度が少なく、オンコール対応の負担も軽減されます。

バイタルサインが安定しており、日常生活のサポートを中心に行っているケースが多いため、深夜や休日の呼び出しが起こりにくい環境です。

オンコールによる負荷を減らしたい看護師にとって、利用者層の見極めは職場選びの重要な指標となります。

マニュアルや支援体制が整備されている

マニュアルや緊急時対応の支援体制が整っている職場では、オンコール勤務中の判断や行動に迷いが少なく、精神的な不安を抑えることができます。

対応フローや判断基準が共有されていることで、個人の経験や勘に頼る場面が減り、対応の正確性と安心感が高まります。

準備された環境の中で勤務することで、安心してオンコール当番を担うことが可能になります。

職場の雰囲気が柔軟で相談しやすい

相談しやすい職場風土は、オンコールに対する心理的負担を和らげる大きな要素です。

上司や同僚と気軽に意見交換ができる環境では、困ったときに一人で抱え込まずに済み、不安や悩みを早期に解消することができます。

風通しの良い職場では、勤務調整や制度改善にも柔軟に対応してもらえる可能性が高まります。

人間関係の安心感がある職場では、オンコール勤務への不安も自然と軽減されていきます。

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まとめ

訪問看護におけるオンコール勤務は、多くの看護師にとって精神的・身体的な負担となりやすい働き方です。

しかし、勤務体制や支援環境を見直すことで、そのストレスを大きく軽減することが可能です。

訪問看護のオンコールが「きつい」と感じる看護師には、ストレス対策を実践すると同時に、働きやすい職場への転職も視野に入れることが有効です。

訪問看護師として長く安心して働き続けるために、「働く環境」と「自身のケア」の両面から見直す姿勢が欠かさないようにしましょう。