【5分じゃできない】採用担当の為の統計学(実践編)講座。データ分析で課題発見
課題を見つけてこそのデータ分析なんです 前回データ分析の基礎編という事で、数字の見方や簡単な数字の出し方をお伝えしていきました。難しかったですか?簡単でしたか?前回のコラムのリンクを張っておくのでコチラで復習してみてくだ […]
4月と看護師/理学療法士の皆様で言えば、新たな病院や訪問看護ステーションに入職する方が一番多い季節ですよね☆彡不安と緊張、そしてもちろん新しい環境という楽しみ、様々な感情が入り混じると思います。そしてそんなドキドキの4月の次に待っているのが、5月です。そうです、世の中では5月病と言われる月が待っているのです。
看護業務をしていれば誰しもが「ちょっと今日は気持ちが乗らないな・・・」と思ってしまう事もあると思います。でもその気持ちが長く続いてしまったら、それはもしかしたら心を病んでいる可能性もあります。病院や訪問看護ステーションで看護部長や主任などの管理職をされている看護師/理学療法士の皆様たちも、もしも他のスタッフを見たときに「ちょっと元気がないのが続いているから心配だな。」と思ったら、もしかしたらメンタルヘルスを気にした方が良いのかな?と思う時だってあると思います。
プライベートで何かあったとしても、病院や訪問看護ステーションでの人間関係で何かあったとしても、患者様や利用者様やご家族のの前では、毅然としている必要もあり、笑顔でいる必要もあり、心と相反する行動をする事によって、少しずつ心が傷ついてしまう事だって看護業務をしていれば沢山あると思います。
日々の看護業務というのはやはり心身ともに整っている必要があります。でも「もしかしたら心が病んでいるのかな?」と思う看護師/理学療法士に向けて、「病院に行ってみたら?」というのも直接的過ぎてしまうし、なかなか言えないよな。と思ってしまう事も多々あると思います。
そんな時に参考になる非常に面白い研究結果が報告されました。本日の講義はまさにココです!!3秒でわかり鬱チェックテストでメンタルヘルスを管理しよう!!になります。
最近の研究で、うつ病では脳内神経の配線に変化が生じることがわかってきていたのですが、錯視を使った新たな研究によると、その影響は視覚にも及んでいるようだと、海外の科学ニュースメディア「Science Alert」が報じました。※英語になってしまいますがリンク貼っておきます
うつ病と視覚の影響とはどのような事なのでしょうか?こちらの研究発表がどのような内容かといえば、うつ病に限らず、統合失調症などの精神疾患では、脳での視覚情報の処理に変化が起こることが知られているそうです。
しかし、その変化についてはまだわからないことだらけというのが現実のようです。そこで、フィンランド・ヘルシンキ大学で、錯視画像を使ってうつ病患者の視覚情報処理について実験を行ったようです。
実験に非常にシンプルなもので、それこそ病院や訪問看護ステーションでも簡単にできるものでした。背景の違いで中央部分が異なって見えるというタイプの錯視画像になるのです。テレビとかでもたまに見ることはありますよね?
実際に使われた画像は2タイプあり、一つは背景の明るさが違う錯視画像、もう一つはコントラストが異なる錯視画像になります。結論や実験結果をお話ししてしまう前に、看護師/理学療法士の皆様も是非このチェックテストをやってみましょう☆彡
さあ、看護師/理学療法士の皆様はどちらが濃く見えますか?パッと見ても、じっくり考えてみても悩みますよね??うーん、Aの方が濃く見える気もするし、いやいやBの方が濃く見える気もするし、冷静に見てみれば全く同じ色に見てて来た・・・うーん。。。よくわからん(笑)と感じるでしょう。
まず事実を伝えるのであれば、AもBも共に同じ色になる為に、色に違いは全くありません。
では被験者の意見がどのように割れたのかといえば、Aの方が濃く見えた!!とかBの方が濃く見えたとか、大きな差が生まれることはありませんでした。うつ病性障害と診断された患者111人とそうでない29人にこれらの錯視画像を見せ、どのように見えるかを尋ねても、このAとBでは大きな違いは出なかったそうです。
それではここからが本題になります!!まさに3秒でわかる鬱チェックテストになります!!
おおお、、、これは明確ですか?それとも悩みますか?明らかにCとDで濃さが違うような気もしますね。いやいや、やっぱり冷静に見れば全く同じようにも見えるし。。。看護師/理学療法士の皆様はどのように感じますか?
それではタイトル通りに3秒数えて答えを出してみましょう!!3,2,1!!それでは答えをどうぞ!!
こちらも同様まずは事実を伝えましょう。こちらも同様に色の濃さとしては2つとも同じになります。しかしうつ病性障害と診断された患者111人とそうでない29人にこれらの錯視画像を見せ、どのように見えるかを尋ねたところ、興味深い事にその見え方に違いがあることが判明いたしました。
先に伝えた問題の明るさを変えたAとBでは違いが出なかったのですが、なんとコントラストを変えたCとDでは大きな差が出たのです!!うつ病患者グループでは、本来なら起こるはずの錯視が抑制され、コントラストの変化を認識しにくくなっていたという事なのです。
特に、うつ病の人ほど、上の画像の「C」と「D」の縞模様のコントラストの差を感じず、同じ濃さに見えていることがわかった。つまり、上の画像をパッと見て、Dの方が濃いと感じなかった人はうつ病の可能性があるかもしれないということになります。
色の濃さ自体はCとDも同様に同じではあるのですが、本来の人間の視覚機能としてはDの方が濃く見える可能性が多くなるという事になります。ですのでデザイナーの方などで日々色の濃淡を見極めることをしている方にはこのチェックテストは正しい結果にならない可能性もあります。また看護師様でも採血なので血液の色を敏感にチェックしている方も同様に、当てはまらない可能性もあります。あくまで参考として”可能性”があるということになります。
そしてこちらの実験結果を補足をするのであれば、今回の実験に関しては被験者の自己報告だけを基にしています。医学的な解明の為の脳のスキャンなどは行われていないため、実際の目や視覚神経、脳でどのような変化が起きているのかは、まだ答えが出せていいない状況になります。
また、もちろん鬱の治療のための投薬が原因で視覚に変化が起こっている可能性もあるために、一概にこの結果からだけで「鬱の可能性が高い」と決める事は出来ません。可能性としては様々な医学的変数がある事は間違いありません。一方で、うつ病などの精神障害が目と脳に変化をもたらし、外界の認識にも影響を与えているのは、ある一定は確かといえそうです。
うつ病などの経験した方は、症状が辛い時には「世界が暗く見えた」と話すことも多いとの事でした。それはただのその時の気分的な問題ではなく、実際に目や脳に何かしらの変化が起きていた可能性があります。
もしもちょっと気分が優れないな。。。と思ったり、一緒に働いている看護師/理学療法士のメンタルヘルスが気になる時があれば、参考までにこのチェックテストをしてみるのも、病院や訪問看護ステーションでの運営に少し寄与できることかもしれません。
メンタル的な病気に関して言えば、いつどこで、誰が発症してもおかしくなく、「〇〇さんはハートが強いから大丈夫!」というシンプルなものでもありません。今までは脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病が4大疾病と言われていましたが、新たに精神疾患を加えて「5大疾病」とする方針を厚生労働省が決めたことを考えれば、どれだけ身近で一般的なリスクかも納得がいきますよね。