人は失敗から学ぶはウソ!?を科学的に検証してみた

◇:失敗から学べるのであれば、同じ失敗はしないはずなのに…

訪問看護ステーションや病院で働いていれば、看護師/理学療法士/作業療法士様も失敗してしまった事はありませんか?失敗するな!!と言われても、なぜだろう?同じミスや失敗を繰り返してしまう…人は失敗から学ぶと聞いたり、失敗は成功のもとなんて言うのに、どうしてこんなに失敗を繰り返してしまうんだろう。

例えば室長や看護部長などの管理職の看護師/理学療法士/作業療法士様であれば、「〇〇さんって同じミスばかりするのよね!!」と感じたことはありませんか?冷静に考えれば「人は失敗から学ぶ」や「失敗は成功のもと」と時代を超えて言われるのであれば、一度失敗したら、次は成功するはずだと感じませんか?

それにも関わらず、世の中は残酷なくらい成功する人と失敗する人にわかれますよね?何度も何度も同じ失敗をする自分自身だったり、同僚や部下に悲しくなったことはありませんか?そう考えるとこの言葉って嘘くさい!?そう感じてしまっても、決して大げさな話ではありません

12月になれば一年の終わりをしみじみと感じて、ふと手帳を振り返ってみたら、「今年は絶対にダイエットするぞ」と力強く目標が書いてあったのに、すでに未達成が確定(笑)いやいや、年末までまだ時間がある!!と思ってみても、重い腰があがらずにやる気がなくなったり(笑)でもよくよく思い返したら毎年同じように目標達成できなかったり(笑)身近な失敗と言えば、このような事も失敗であり、失敗から学んでいないという事なのです。

看護師/理学療法士/作業療法士様の中には「新しい資格に挑戦しよう!!」とか「知らない診療科について学ぼう!!」と考えているけど、なかなか行動できず結果目標失敗してしまった方もいるでしょう。日々の訪問看護ステーションや病院での業務も同じような失敗を繰り返してしまった経験がある方もいるでしょう。

改めて疑問になりますよね?本当に人は失敗から学ぶ事が出来るの?シカゴ大学ブーススクール・オブ・ビジネスの博士研究員、ローレン・エスクレイス=ウィンクラー博士は、これを科学的に検証しようと「人間は本当に失敗から学ぶ事が出来るのか?」を実験/研究しました。

今日はこの論文を参考にして講義を進めていきましょう!「本当に人は失敗から学ぶのか?」を理解して、失敗しない為の学びが何かを知り、失敗を成功に変える方法をお伝えしていきましょう!それでは講義のスタートです。

◇:人は失敗から学ぶのか?もしかして人は成功から学ぶのか?どちらなんでしょう?

一般的に考えれば人は失敗から学ぶと考えられていますし、看護師/理学療法士/作業療法士様も訪問看護ステーションや病院でミスしてしまったり、失敗していしまった同僚がいれば、「失敗したから学ぶ事があるんだよ。」とアドバイスをしたこともあるでしょう。

一方でこのアドバイスが本当に正しいのか?を検証したのがローレン博士という事です。「人は失敗から本当に学ぶ事が出来るのか?」を実験検証するために、こんな実験をしてみました。それは疑似的に失敗する状況を作る為に、被験者に対して非常に難しいテストを出しました。基本的には解けない問題、つまり失敗するテストという事です。

そしてテストが終わった後にフィードバックをします。半数の被験者には「あなたはこのテストで〇〇の間違いをしていますが、〇〇も問題は出来ていました!」と失敗した中でも、出来ている事を見つけて成功のフィードバックしました。

もう半数のグループには「あなたはこのテストで〇〇の間違いをしていますが、間違っていた問題は〇〇です!」と失敗のフィードバックをしました。つまりこれはテストに失敗したわけですから、失敗から学ぶのであれば、次のテストでは改善しているでしょう!という実験になるのです。面白いですよね。

極端なイメージで言えば看護師の国家試験を受けてもらって、半数には正解した部分だけをつたて褒める。もう半数には間違えた部分だけを伝える。というイメージになります。

成功のフィードバック、失敗のフィードバックが終われば再テストです(笑)数日置いて再び同じテストをやってもらいましょう!!勘の良い看護師/理学療法士/作業療法士様であれば、何か違和感を感じませんか?「あら??同じ問題やりますか?それなら正解した問題を正解するのは当たり前だし、間違った部分(失敗した部分)を教えてもらった被験者の方が正解率が高くなりませんか?」と思いますよね?むしろこれが当たり前だと思いますし、実際のテスト勉強でも間違った部分を中心に勉強するでしょう。

今回の実験結果はいわゆる学力テストではなく「明らかに難しい問題」なので、答えを自力で導くにはそれなりの努力が必要でした。この結果半分は想定通りで半分は想定外の結果が出たのです。まず正解のフィードバックを貰った被験者は、次のテストでも正解した問題は当たり前に正解していました。そして平均点も高くなる傾向があったそうです。

しかしせっかく間違いを教えてもらった(失敗を教えてもらった)被験者は、普通に考えれば間違っている部分を教えてもらっているのだから、勉強すれば答えはわかり、次は正解するはずなのですが、結果は失敗を活かすことはなく、間違えたままだったという非常に切ない結果になってしまったのです…

つまり人は失敗からは学ばず、成功から学ぶ可能性が高い事が実証されたのです。

◇:そのプライド!!成長を阻害しているかもしれません!

看護師/理学療法士/作業療法士様も意外だと感じませんか?でも言われてみれば、自分自身を「私って変わらないな…」と同じ失敗を繰り返したりしませんか?「みんなが辞めろと言っているのに、ダメンズと付き合ってしまったり(笑)」わかっていても人は同じミスや失敗を繰り返し「あの時は運が悪かっただけ!!」とポジティブに考えすぎてしまうのです。そうなのです、つまり人は「自分の失敗」から学ぶ事ができないの可能性が高いのです。

この結果に対し、ローレン博士はこのように述べています。「自分自身が失敗すると、自尊心であるプライドが邪魔をしてしまって学ぼうとしない。人は成功から学ぶ事の方が多い。」と結論付けました。

例えば訪問看護ステーションや病院での運営も、失敗を繰り返しそして経営的な成功を収める事も多いでしょう。この時に「失敗から学んだ」と考えがちですが、失敗から学んだわけではなく、失敗しても心折れずに行動し続けた結果成功を掴んだのです。

そして次に訪問看護ステーションや病院で何かをする時には「成功から学び」成功事例の領域展開というべき横展開をしてきませんか?もちろん失敗から学べるものはゼロではありませんが、人間は自分自身の成功体験から学び、失敗した時は考えているようであって、実はあまり考えていないと推論されているのです。

この結論が正しいものだと考えれば「失敗しても行動を止めない事」がまず大切になりますし、成功ればそれが学びとなる事がわかります。といったものの…実際に失敗して学んだこともあるしな…そう感じる看護師/理学療法士/作業療法士様も少なくないでしょう。本当に人は失敗から学ぶ事はないのでしょうか?ローレン博士は改めて「失敗から学ぶ事はないのか?」も実験しました。

そして逆説的ではありますが「人は失敗からも学ぶ事が出来る。」という事がわかりました。ただしここには条件があります。「人は自分の失敗からはプライドが邪魔をして学ぶ事はできないが、他人の失敗は客観的に失敗したポイントに注目することが出来て、失敗から学ぶことが出来る。」というのです。

「おっ、なんか胸に突き刺さる(笑)」つまり自分の失敗だと、言い訳したくなります。状況が悪かった、タイミングが悪かった、運が悪かったとか、と言い訳をしてしまい自分の失敗から目を背ける傾向があります。つまり自分の失敗から目を背けるので、自分の失敗から学ぶ事が出来ないという事です。

一方で他人の失敗であれば、残酷なまでに冷静にその失敗を考えることが出来ます。人の失敗やミスは蜜の味ではありませんが、人の失敗は不思議と目につく経験をしたことありませんか?人が失敗したら「そりゃ失敗するでしょ!私はやる前からわかっていたし!」と思った事はありませんか?

そうなので人間とは人のミスに対しては、本当に冷静で客観的に考える事が出来るのです。「あんな失敗しないように、私も気を付けよう!」と他人の失敗から学ぶ事が出来るのです。

◇:他の看護師の失敗、他の訪問看護ステーションや病院の失敗、これをメモって失敗ノートを作ろう!!

失敗するときは看護師/理学療法士/作業療法士様もその時の「最善」を対応した自負はあるでしょう。あの時、あの場所、同じ業況でそんな冷静に判断できますか!と思いませんか?そうです、プライドがあるからなかなか自分の失敗を認める事が出来ません

しかし他の看護師/理学療法士/作業療法士様から見れば、皆さんの失敗は他人の失敗であり、残酷なまでに冷静にその失敗の原因と理由がわかって、皆さんの失敗から学んでいるのです。

同様に他の看護師/理学療法士/作業療法士様の失敗であれば、皆さんも残酷なまでに冷静に、客観的にその失敗の理由を論ずることが出来るのです。つまり自分の失敗は図らずも人を成長させているとも前向きに考えれば言えるのです。

つまり「人の失敗」をたくさん知っておけば、自分は失敗しない可能性が高く、失敗から学んでいるともいえるのです。伝説の投資家と言われたウォーレン・バフェットさんや、その右腕と言われたチャーリーさんは、他人の失敗や、企業の失敗を「失敗ノート」として書き溜めていると言っていました。

他人の失敗を眺める事で冷静になる事が出来たり、「同じ失敗をしないように!」と考えられるようになるそうです。その他人の失敗から学び、自分自身の成功事例を信じて領域展開していくという事ですね。

看護師/理学療法士/作業療法士様も訪問看護ステーションや病院で、自分が失敗したことを忘れないようにメモする事も大切ですが、他の人の失敗や、他のステーションや病院の失敗を書き溜めておくと、それが学びとなり、成長につながるのです。。

ただし注意点も(笑)勤務中に人の失敗を見つけてメモを書きまくっていたら、さすがに印象が悪くなるので辞めましょう(笑)あくまで家についてじっくりと、他人の失敗の理由を考える事が学びになりますよ。特に自分と性格が似ていたり、自分と同じような失敗をする人がいればこれはチャンスです!!そこからの学びは多く、冷静に、客観的に失敗を考える事が可能となります。

確かにこれまで話したことをズバッとまとめて、一言で言えば「失敗は成功のもと」や「人は失敗から学ぶ」となるかもしれません。ただ相手にも正しい理解をしてもらうのであれば「失敗は成功のもとではなく、行動し続ける事が成功のもとで、その成功こそが次の成功のもと。」や「人間は自分の失敗から学ぶのではなく、他人の失敗からでしか学べない。」というのが正しい表現かもしれませんね。こんな感じで看護師/理学療法士/作業療法士様も自分なりの格言を考えてみるのも面白いですね。

いずれにしても訪問看護ステーションや病院で失敗をしてしまったのであれば、同じような失敗をしてしまった人を見つけ、その他人の失敗から学ぶ事が良いでしょう。これはドラマや映画や、本でも問題ないので、過去の看護師のインシデント集を見る事もまた学びと言えます。

 

◇:転職で失敗、これも人の失敗から学ぶ事は多いのです

看護師/理学療法士/作業療法士様の中にも転職活動に失敗してしまった方もいるでしょう。訪問看護ステーションに入職してみたけど、自分には合わなかった。そう感じた方もいるはずです。でも冷静に考えなければいけないのは、訪問看護に合わないのか?それともそのステーションに会わなかっただけなのか?です。

転職活動は1人でやる事が多い為に自分自身の失敗に気が付いていない可能性があります。そして転職活動の学びというべき失敗してしまった他人の事例は、看護師/理学療法士/作業療法士様では入手できないと感じます。つまり学びがない中で、転職活動をしたり、仲の良い友達からの意見で意思決定してしまえば転職活動も失敗する可能性が高いという事です。

それじゃあ諦めずに成功するまで転職活動します!!というのはお勧めしません。せっかくの経歴を傷つけてしまえば、年齢に対してある程度の転職回数で、面接可能な事業所もなくなってしまいます。それではどうすれば訪問看護ステーションや病院への転職が成功するかと言えば、成功事例も失敗事例もお伝えする事が出来る訪問看護求人jobsにお任せください。

毎年全国で多くの看護師/理学療法士/作業療法士様のお仕事探しをサポートしています。転職活動を成功に導いたこともあれば、上手くサポートすることが出来ず、失敗してしまった事も恥ずかしながらあります。

これらの事から学び看護師/理学療法士/作業療法士様のお仕事探しを10年以上サポートしてきました。転職したい!と思ったときに、希望条件や入職実績から冷静に、そして客観的にアドバイスをすることが出来ます!どうすればいいか?何が自分にあうのかまだわからない。そんな時でも、まずはそこから一緒にお話ししましょう☆彡

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