訪問看護を信頼していない家族

こういう体験は誰にでもある。丁寧なケアで信頼関係を作っていこう

看護師なんて信用しない

訪問看護を導入する家族の中には、「看護師が家に来て、いったい何をしてくれるの?」と半ばけんか腰で対応してくる家族もいます。(筆者は、このような家族がいるという事は、入院中病院側の説明不足なのではないかと感じていますが)

特に、終末期の利用者さんがいるお宅でこのような認識でいる家庭は対応に慣れていないと、訪問看護師はその家族に対して苦手意識を持ち、壁を作ってしまいます。
それにより、利用者さんの病状が進行しているのにも関わらず、症状のマネジメントができず、対応が遅れてしまう場合があります。もし、このような利用者さんを担当して悩んでいる看護師がいるのであれば、次の事をやってみてください。

1.ケアの時には優しく丁寧なケアを

例えば、足浴の湯や清拭の際のタオルの温度は利用者さんが気持ちいいと感じる温度ですか?(足浴は42度前後、清拭のタオルは60度の湯で用意すると気持ちよく感じます)
また、両手を使ってケアをしていますか?片手で清拭や処置をするよりは、見ている側も丁寧に行っていると感じるものです。

2.症状を予測した対応を

もしかしたら、今後このような症状が起きるかもしれないということは必ず家族に伝えましょう。そしてそれに対して家族は何をどのように対応すれば良いのかまで説明します。そして、緊急訪問を望んでいたら、必ず緊急訪問を行います。
看護師に不信感を抱いている家族がいる場合、その家族がピンチになった時に寄り添える存在は訪問看護師であると感じるものです。

3.療養先の選択を

元々看護師に警戒心を持っている家族がいる場合、最期を在宅で過ごすことを選択しない場合もあります。家族には病院やホスピスなどの施設もあることを情報提供し、早めにベッドの確保をする必要があります

4.ケアマネジャー、訪問診療医、紹介元の病院との連携を

なぜ看護師に警戒心を持つのか、他職種がその情報を握っている可能性があります。必ずそのような家族がいることを上司に報告し、他職種とも情報共有を行いましょう。

5.所長や上司に相談を

自分の担当の利用者さんの家族がそのような状況の時、すべて自分で請け負う必要はないと思います。看護師も人間です。無理せずに担当を変えてもらうことも検討してもらいましょう。また、夜間や休日の対応は他のスタッフで行う場合もあるので、家族の状況を情報共有しておく必要があります。

信頼してもらえないと落ち込む必要はありません。初めて訪問看護を行う人であれば、必ず通る道だと思います。
この経験が、また同じケースの利用者さんを担当したときにそつなくこなすことが出来るようになるのです。

筆者には、ある利用者さんから言われた言葉があります。

「こんな小娘に何が出来るのかと思った。けど、摘便してくれたおかげで苦しさが取れたことと、困っている時に来てくれて対処方法を教えてくれたことが何より助かった。ありがとう」

筆者は30後半のおばさんですが、小娘と言われたことが、実年齢より若く見えた!?と嬉しかったのですwww
また、それ以上に家族が何を望んでいるのかアセスメントすることが訪問では何より重要なのだと感じた場面でした。

ちょっとした利用者さんや家族とのトラブルなどで落胆する必要はないですし、壁を作る必要もありません。
専門職として、今自分に出来ることを真摯に取り組むことで信頼関係は築けるもので、さらにその経験が訪問看護の楽しさに代わっていくと感じています。

訪問看護の面白さ、そして大変さを皆さんと共有したいと考えています。看護師を初めて、病院で働き始めて看護師が出来る事はなんだろう?と思ったら、そこに訪問看護がありました。

みなさんも一緒に訪問看護をやってみませんか?興味があるかたいつでもご相談ください。

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