【2024年度版】潰れる訪問看護と成長する訪問看護の違いは何?を徹底解説。

◇潰れる訪問看護と成長する訪問看護の違いは何だろう??

訪問看護ステーションの推移を過去に講義させて頂きました!!実際に訪問看護ステーションを経営されている方からこんな質問を頂きました!!「実際に訪問看護ステーションは増えているんけれども、実際に廃業してしまう潰れてしまう訪問看護ステーションも沢山ありますよね?これって何か違いがあるのですか」むむむ。。。おっしゃる通りで、残念ながら潰れてしまう訪問看護ステーションが多々ある事も確かなのです。

国の思いやワークライフバランスを考えて看護師様の働きやすさも含め、訪問看護ステーション自体は毎年7%程度、約700ステーション増加の成長を見せており、今後もこの動きは進んでいくと思います。

令和元年(2019年)の都道府県毎の訪問看護ステーション数の推移を考察してみる

 

ただ一方で残念ながら、廃業申請をしてしまう訪問看護ステーション、つまり平たく言えば潰れてしまう訪問看護ステーションがある事も事実になります。一方でビジネス的に大きな成長を遂げて、成長する拡大する訪問看護ステーションがある事も事実になります。廃業申請をしない潰れない訪問看護ステーションには同様に理由があります。一体この違いはどこから来るのでしょうか??

本日のテーマはまさにココです!!潰れてしまう訪問看護ステーションと、成長する訪問看護ステーションの違いを講義していきたいと思います☆これから訪問看護ステーションを設立する予定の方や、今現状運営をしているけれども、思いのほか上手くいかないな?と悩まれている経営者様の力になれれば幸いでございます(^^)/

それでは本日のポイントです
1:訪問看護ステーションの運営は、看護ではなく経営です!!
2:損益分岐点(BEP)はいくらか即答できますか?
3:お客様はどこにいる??営業活動をしておりますか?

それでは講義のスタートです☆

1:訪問看護ステーションの運営は、看護ではなく経営です!!

訪問看護ステーションの新規開業を考えいる方も少なくないと思います。そして開業される方は多く2つのケースがあると認識しております。

訪問看護ステーションを開業する2つのケース
1:看護師様が複数名集まって、訪問看護ステーションを開業するケース
2:法人様が訪問看護ステーションに新規参入するケース

大きくはこちらの2つのケースが新規開業のケースになります。そしてこの双方ともにメリットとデメリットがある事をお伝えしておきますが、今回の講義に関しては「1」の看護師様が開業するケースに関して、講義をしていきたいと思っております。

訪問看護ステーションを開業する看護師様が増えてきていると、肌感覚的に感じることは多くなってきています。これは昔に比べて独立や起業に対するハードルが下がってきている事もありますし、訪問看護ステーションの人気を表している部分でもあります。

一方で実は上手くいかないケースが多い、つまり潰れてしまう可能性がある訪問看護ステーションも、看護師様が開業したケースの方が多いと感じます。これは何故か?と言うのを考えてみると、確かに訪問看護ステーションの現場で必要な事は当たり前ですが「訪問看護」であり「看護の技術や知識」が必要になってきます。つまり訪問看護の実務に関しては、今までの経験を活かして最低限対応する事ができるメリットがあります。

しかし看護師様が開業となると話は変わり、必要な事は「経営」になってきます。今までであれば、病院やクリニックなどの組織に正社員として属していれば、毎月お給料をもらう事が出来ました。保険や税金が引かれてたとしても、お給料が入ってきていましたよね?

経営となると話が大きく変わってしまい、開業しただけでは会社にお金は入ってきません。会社にお金が入ってこないという事は、お給料を払う事ができません。もちろん自分のお給料も同様です。

そして社会保険や厚生年金は会社が半額負担になります。つまり経営者の観点で見るのであれば全額負担って事になります。会社経営ってこんなにお金がかかるんかい!!と初めて思う所だと思います。

家賃を払う、訪問用の車や自転車を購入する。もちろんガソリン代や交通費も同様です。これにもお金が必要ですし、採用活動するためにもお金が必要になります。つまり訪問看護師として働いている時に必要な「看護の技術や知識」は経営者になった瞬間に、全く通用しなくなってしまうのです。

ココがまず看護師様が訪問看護ステーションを開業する際に感じる大きな違いになります。そうです、潰れない訪問看護末テーションになる為に必要な事は看護ではなく経営になるのです!!

では訪問看護の経営において、まずはどこから意識しなければいけないのかを、次の章で考えていきましょう!!大切な指標は沢山ありますが、まずはここからと言う参考に☆

2:損益分岐点(BEP)は「いくら」で「何名必要」か即答できますか?

配置基準上ありえないですが、わかりやすさ重視で考えて、もしも一人で訪問看護ステイションを経営していたと考えみましょう!!

◇CASE1
スタッフ数:1名
※例題になるので訪問看護の看護師配置基準の考えはないものとします
家賃:50万
その他固定費:50万
その他変動費:20万
人件費:50万
合計単月コスト:170万

例えば家賃が50万、人件費も社保健保含めて50万、その他固定経費が50万、そのた変動経費が20万と考えると、毎月かかる経費としては170万になりますよね?では毎月の売上が100万だったとしたら、会社の利益はいくらになるか?そうです、マイナス70万なので赤字になってしまい、この利益が出ていない状態が続いてしまうと会社は倒産してしまいます。。。つまり潰れる訪問看護ステーションと言う事です。

ええええ。。。一人で開業して、一人でやっていて赤字であれば、これって何人いても赤字じゃないですか??と思いませんか??でも、それは違うのです!!

たとえば家賃や固定費に関してはスタッフ1名ですと「家賃50万+その他固定費50万の合計100万」かかってしまいますが、家賃や固定費は究極的に、人数が増えても比例するものではないので、もしもスタッフ2名であれば一人当たりの負担は「100万/2名の50万」になりますし、もしもスタッフが4名いれば「100万/4名の25万」になるのです。

つまり訪問看護ステーションに限らずですが、人員数が増えるほど一人足りにかかるコストが落ちていくので、今回の例で言えばある一定の人数がいれば会社は赤字を脱出する事が出来ます!!それこそまさに損益分岐点(BEP/break even point)になります。

この利益がでるある一定の金額っていくら?とか人数って何名だろう?を出すことが訪問看護ステーションの経営には大切になってきます。

これらはこうして文章で見てしまうと、難しそうな印象になりますがグラフやエクセルなどの図にしてみるととても分かりやすくなります。簡単ではありますが、小規模の訪問看護ステーションを想定して考えてみました。わかりやすくなるように極端な数字を置いているので、あらかじめご了承ください。

 

青い受注ラインが、赤い点線のコストを上回る瞬間の”点”がまさに損益分岐点になります!!つまりこちらのステーションの例で例えるならば損益分岐点は4名で360万がプラスマイナスゼロの現実的なラインになってくるので、採用としても自分以外に残り3名を採用する必要があるという事です。

逆に恐ろしい事を言うのであれば、受注構造が毎月一人当たり100万円であれば3人でステーションを運営している限りずっと赤字になるという事です。。。つまりこの構造に気が付かない限りは潰れる訪問看護ステーションになってしまうのです。

でもこんな疑問がわきませんか?「採用するのも広告費や紹介費がかかりますよね?」その場合はどうするのですか?そう思った経営者の方!!研修の成果が出てきております!!まさにそれはコスト計上しなければいけないので、また損益分岐点としては上がってきますよ!!

つまりまずは大きく損益分岐点を考えながら、必要なコストって他にはないかな??と数字をいじっていくと、正しい数字が出てくるので、何名で訪問看護ステーションを運営し、いくら受注をあげなければいけないか?というのも見えてきます。

改めてですが新規開業をするのであれば、必要な能力は看護だけではなく経営の能力になり、四則演算で問題ないので最低限の算数や数学の知識と言うのが経営者には必要になってきます!!

3:お客様はどこにいる??営業活動をしておりますか?

経営的やマーケティング的に考えて病院と訪問看護の大きな違いは何かわかりますか??それはお客様が受動的に集まるか、能動的に集めなければいけないかが大きな違いになります。

病院であれば患者様が集まってくるために、こちらから積極的に「病院に来てください!!」と言わずとも集まってきます。一方で訪問看護ステーションの場合は患者様は勝手に集まってくることはほとんどありません

つまり訪問看護ステーションとしてケアマネージャー様や地域の医療コミュニティーに顔を出し、患者様/利用者様の獲得をしない限りは、訪問看護サービスを提供する事が出来ないので会社経営としては赤字になってしまいます。

一言で言えば営業活動となるかもしれませんが、ステーションの啓蒙活動をしない限り訪問看護ステーションは勝手に利用者様が集まる事はありません

これは看護師様が複数集まり開業する際の、一番の大きな壁と言えますし、ここを乗り越えることなく経営が好転する事はありません。これぞまさに病院との一番大きな違いになります。

残念ながら訪問看護ステーションを開業して上手くいかなかった看護師様の話を聞いていると、まさにこの部分が一番大きな誤解だったとおっしゃることが多いと思います。

少子高齢化であり、医療を必要とする高齢者も多い為に、何もせずともステーションさえ開業すればお客様(利用者様)は集まるはずだ!!と思いすぎており、この営業活動と言いますか、啓蒙活動やコミュニケーションをとる事が少ないのですよね。

営業と言うと抵抗がある看護師様も少なくないと思いますが、自分たちのステーションの魅力を伝える活動や、膝を付け合わせて話す機会と言葉を換えれば、「確かにそれは絶対に必要だ!!」と思いませんか?

電話やメールだけではどうしてもうまくいかない事もありますし、皆さんももしかしたら電話やメールでの営業をされた場合には邪険に扱っていた時もあると思います。一方で実際に訪問してくれると、自然と話がはずんだり印象が変わるケースもあります。

まさに対応しなければいけないのはこれなのです!!「看護師が営業??」と毛嫌いせずに、まずは自分たちのステーションを知ってもらおう!!とか自分自身を知ってもらおう!!と顔を出してコミュニケーションをとっていけば、自然と「実はこんな患者様がいて・・・」というケアマネージャー様のお困り事をサポートしてあげることが出来るようになります。

利用者様をただ待つのではなく、自分たちで動き、コミュニケーションを見せることが、啓蒙活動に繋がり、未来の利用者様を獲得し、訪問看護の経営で考えれば受注があがり採用をしやすく、今以上の福利厚生環境を整え、もちろん結果的に全員のお給料水準をあげることも可能となります。そして廃業しない潰れない訪問看護ステーションにわけです!

新たに訪問看護ステーションを開業した際には、是非経営者として様々な数字を見ながら、看護師様と言えども営業活動をしていき、素敵な訪問看護ステーション経営をしてきましょう☆

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