経験者のアドバイス 持ち物に靴下を1つ

みなさん、靴下をどうしていますか?

訪問する際には当然の事ですが、靴をぬいでお宅へお邪魔します。そしてケアをするときに腰を下ろす際には正座で過ごすことが多いです。
そんな時、盲点となっているのが靴下なのです。あなたは、くたびれた靴下を履いていませんか?
もしかしたら足裏の面に穴が開いていたり、生地が薄くなっていたり、変色しているかもしれませんよ!

筆者は穴の開いた靴下で一日訪問に回り、自宅に帰って着替える時に穴が開いている靴下を履いていたことに気が付きました。利用者さんは気が付ていたのか……、気が付いていても靴下の穴には触れないでいてくれたのか……すごく考えました。
そして、気が付かずに一日訪問していた自分にも恥ずかしくなったという経験があります。

筆者自身、訪問中の靴下の在り方を考えた事例があります。
訪問するお宅はキレイなお宅ばかりではなく、不衛生な環境のお宅もあります。
例えば、ペットをたくさん飼っており床に糞や食べかす、泥などが付着しているお宅がありました。それからゴミ屋敷のように、生活の動線以外の場所に洋服や家電類などが山積みになっており、食べ残した物がその下敷きになっているお宅もありました。それから、子宮がんの末期でがん細胞が直腸まで浸潤し膣からもだらだらと便が出てしまう利用者さんがおり、自宅の床に便があちこちに付着しているお宅もありました。

訪問看護を行うと、本当に色々な家庭があり、その家庭の事情により自宅を整備することが難しいのです。(不衛生だと感じたお宅には、ケアマネジャーと相談をしてヘルパーさんを導入し家族の力で環境整備を行いますが、利用者さんや家族の協力が得られないと難しいケースもあります。また、利用者さんにとってその環境が住み慣れた環境という場合もある為、看護師の主観だけで物事を進めてはいけない場合もあります)

筆者はそのようなお宅の訪問の後に、小児の訪問を同じ服装、同じ靴下で訪問をすることには抵抗がありました。なぜなら、ケア中に抱っこすることがあり、また抵抗力が弱いお子さんが多いためナースの服装が感染源になるのではないかと考えたからです。
しかし、そのような可能性があるというエビデンスがないため、実際訪問看護では訪問先によって服装や靴下を変えるという事はしていませんでした。

しかし、気持ち的に小児や抵抗力の弱い利用者さんの訪問にはきれいな服装で訪問したい……と言う事で、せめて靴下だけでも履き替えていました。
様々なケースを訪問看護で経験すると、盲点となっている靴下にも配慮することができるようになります。
訪問バッグに、もしもの為に1足サブの靴下を入れておくのも良いかもしれませんね!

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