「AI」vs「看護師」~AI時代到来時に看護師はどうあるべきか考える~

AIに看護師は勝てるのか?

「AI時代の到来!!」「機械学習により業務の効率化へ!!」そして「AIが看護師の業務を奪い大量離職を招く!?!?」なんてコピーが少なからず、世の中には出てきております。看護師/理学療法士の皆様はいかがですか?AIと聞いてピンときますか??医療に何が貢献できるのか?訪問看護に何が貢献できるのか想像がつきますか?

先日看護師様とお話をしていて「AIが仕事を奪うって言ってるけど、私たち看護師は死ぬほど忙しいんだからさっさと奪ってくれないと困る!!」とおっしゃっておりましたが、まさにその通りなんです。働き方改革の文脈で言えば医師の働き方含めて、AI化やDX化はやならければいけない日本の課題とも言えます。

そして看護師/理学療法士にとってAI化やDX化というのは敵対するのものではありません。そして看護師/理学療法士の労働環境を考えてみると、半分仕事を奪ったとしても、それでもやっと「ちょっと忙しいかな?」くらいだと思います。本日の講義はまさにここ。「AIが活用される2030年時代に看護師/理学療法士はどう働くべきか」をちょっと予測してみましょう。

それでは本日の講義のポイントです

本日のポイント

1:そもそもAIって何なんだ??
2:看護師の スキルに勝る AIなし
3:AI時代の10年後にキャリアアップする為に看護師が今すべきこと

それでは講義のスタートです!!

1:そもそもAIって何なんだ??

そもそも「AI」ってなんだ??という所から話していきましょう!!将来的に看護師/理学療法士のライバルになったり、仕事を奪う?奪ってくれる?対象になるのでしょうか?

AIとは「Artificial Intelligence」の略で日本語訳では「人工知能」なんて言われます。様々な研究が行われ、研究者によっても若干意味が異なるのですが、私は一旦「ある一定のルールや規則をインプットされると、過去の傾向から自ら考え答えを出す事」くらいに定義しておきましょうか。

例えばAI的なものでいえば「hey!!siri!!」や「ok google!!」は有名かもしれませんね。質問(一定のルールや規則のインプット)をするとSiriやgoogleが過去のデータ(過去の経験)から回答をしてくれる便利なAI君です。看護師の皆さんも1度は試してみた事あると思います。

さてこのAIですがまことしやかにささやかれている事で、「AIさえ導入しておけばミスがなくなる」と思われがちなのですが、実際多くの研究者は「完璧」や「完全」は難しいのでは?と考えているのが事実です。

というのも人間だって完ぺきではないじゃないですか。なので「正しいそうな答え」は出すことができても「正しい答え」を出すことはやっぱり難しいですよね。その精度が上がったものが昨今話題のchatGPTといえます。

ChatGPTは、OpenAIが開発したGPT(Generative Pre-trained Transformer)アーキテクチャを基にしたモデルで、大量のテキストデータを学習しています。このモデルは、文章を理解し、質問に答えるなど、自然な対話を模倣することができます。そのため、看護師の方とのコミュニケーションにおいても、質問への回答や情報提供などに活用できる可能性があります。要するに、ChatGPTはAIの一種で、自然な言葉でのコミュニケーションが得意なモデルです。

少しAIの概念や統計的な回答のイメージが湧くように、看護師/理学療法士の皆さんにこんな質問をしてみましょう!!

1:今日のお昼は肉系にしますか?それとも野菜系にしますか?
2:ナースキャップはあったほうが良いと思いますか?
3:2交代と3交代どちらの方が良いですか?

看護師の皆さんは質問1はどちらの答えでしたか?その日の気分によっては、お肉がよいかもしれません。前日に重たい食事をしていれば野菜系にするかもしれませんね。統計的にお肉を食べる回数や、野菜系を食べる回数を出すことはできても、今日はお肉か?それとも野菜系か?と言われれば、「気持ち」に依存する部分が大きいでしょう。

ナースキャップはいかがですか?私がお話しした看護師様は「ナースキャップはいらない!!」という方が9割を超えていましたが、1割弱の看護師様は「ナースキャップってかわいいよね!!」と言う意見もありました。

2交代と3交代はいかがでしょうか?これも同様に看護師様にお話を聞くと8割弱が2交代が良いと思っており、2割は3交代が良いと思っておりました。

唐突に変な質問だと感じたでしょう。しかしこの質問の意図は、どんな質問をしたとしても、高い確率でマイノリティーレポートのような少数派が出てくるので、完全に正しい答えを出すというのは例えAIが発展したとしてもなかなか難しい話にはなります。

ただし「正しい答えの可能性が高い事」を判断する事もできますし、意思決定疲れや感情に左右されることはないので、AI君は「統計的に考えたら正しいだろう!!」というのはとっても得意なのです。

そう考えるとAIが将来的に医師や看護師の仕事を全て奪ってくれる。究極的には将来は医者も看護師も仕事がなくなってしまう時代が来るのかと言えば答えは「それはできない」という回答になると思います。

そして「AI vs 看護師」で圧倒的に看護師が有利な事があるのです。それは何かといえば「感情」なのです。

「正しい事を伝える=人が動く」ではなく、感情が動いて初めて人は動きます。

つまり患者様や利用者様の感情を考えることはAIには難しいという事なのです。次の章でさらに詳しく講義していきましょう!!

看護求人JOBSも実は「統計的に損しない求人探し」という機能があるのです!!統計的に正しいものなので、看護師様が絶対にこの求人がある病院や訪問看護ステーションで働く!!というものではありませんが、参考にはなると思います。

AIも大切にしながら、看護師の皆様の「感情」も大切にしてお仕事探しを成功させましょうね。

2:看護師の スキルに勝る AIなし

もしも患者様が余命宣告をされてしまったと想像してください。そして患者様からこんな質問が・・・

「看護師さん、私ってどうせ1ヵ月で死んじゃうんですよね?治療なんてしても意味があるのですか?」

もしもこんな質問をされたら看護師の皆様だったらどのように答えますか?「そうね。医師から余命宣告されたのであれば治療なんて意味ないですよね・・・」なんて答える看護師様はいないと思います。

きっと良い意味で質問に対して、「事実を伝えない回答」をすると思います。「何言ってるの!!がんばらないとダメでしょ!!」とか言うと思います。そうです、質問を肩透かしするような本当に良い意味での空気を読まない回答をあえてすると思います。

でももしもこれをAIに聞いてみたらどうでしょうか?「世界中でその症例になった人は約◯万人います。そのうち余命宣告をされた83.7%が余命プラス2か月生存しているので、今すぐに死ぬことはありませんが、3か月後に亡くなると思います。なので治療に関しては確率的には意味をなしません。」という回答になると思います。

これは事実かもしれませんが、患者様が求めているのは事実ではないですよね?そうなのですAIというのは感情を読むことは出来ないですし、人を勇気づけることもまた、今現状であれば難しいと思います。

もちろん人間でも「人に勇気を与える」とか「人を励ます」というのは難しい事なのは十分理解していますが、この「あいまいさ」こそが人間に許された素敵なスキルであることは間違いありません。

しかし最近の生成AIなどはこの統計だけではなく、感情に触れるような言葉をかけてくれるので、AIの成長スピードは素晴らしいと当時に、恐ろしいとも感じます。参考までにAIの回答を記載しておきますね。

医師から余命宣告を受けた場合でも、治療が意味あるかどうかは状況によります。以下は考慮すべきいくつかの要因です:

  1. 疾患の性質: どのような病気にかかっているか、その進行具合、および治療の可能性によって、治療の有効性が異なります。
  2. 治療の目的: 治療の目的は、病状の緩和、症状の管理、寿命の延長、または治癒を含むさまざまなものがあります。患者自身が治療の目的を理解し、それに同意することが重要です。
  3. 患者の希望と価値観: 患者の個々の希望や価値観に基づいて、治療方針を決定することが重要です。治療が生活の質を向上させるかどうか、または患者が大切にしている価値に合致しているかどうかを検討することが必要です。
  4. 身体的な状態: 患者の身体的な状態や耐久力も考慮に入れる必要があります。治療が患者に過度な負担をかける場合、その影響も考慮する必要があります。
  5. 第二意見: 余命宣告を受けた場合、別の医師の意見を求めることも検討する価値があります。異なる専門家の視点を得ることで、より包括的な情報を得ることができます。

最終的な治療方針は患者や家族と医療チームとの協議によって決定されるべきです。治療の選択は個々の状況に依存し、医師と患者が共に検討し、最良の判断を下すことが大切です。どんな状況にあるかにかかわらず、前向きな考え方やサポートが必要な場合はお気軽にお知らせください。人生には様々な試練がありますが、その中で新たな力を見つけたり、成長することもあります。希望を持ち、一歩ずつ進んでいくことが大切です。どんな質問や悩みがあればお聞かせください。

 

この回答はAIが考えたと思うとすごくないですか?人間というのは心があり、感情がある為に、合理的な判断だけで動くわけではありません。甘酸っぱい言葉で表現するのであればそれこそが「愛」なのでしょう!!どんなにかっこよくてお金持ちで、一人の女性だけを愛する男性がいたとしても、その人と付き合うか?結婚するかと言われれば、意外とそうではありませんよね??

「告白されても断りました!!付き合ったら絶対に幸せにしてくれるのはわかるんだけど・・・」なんて経験はありませんか?そうなのです、合理的に考えれば、論理的に考えれば付き合った方が良いのに、人には感情があるので、正しい選択よりも後悔しない選択をすることが度々あるのですよ。

AIの進化は凄まじいスピードであり、そして慎重な意思決定は必要だと感じますが、このような技術を取り入れることは看護師/理学療法士の働き方に寄与してくれることでしょう。そう考えると、これからのAI時代や2030年時代に看護師様が必要なスキルというのが見えてきませんか?次の章でより詳しく講義していきましょう!

もしも今働きながら「自分らしくないな」と思う働き方だったら、好きを仕事にしましょう!!なぜならこれから10年何が起きるかなんてわからないので。

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3:AI時代の10年後にキャリアアップする為に看護師が今すべきこと

ここまで読んで頂くと看護師様もきっとAIに出来る事、出来ない事が何となく見えてきたと思います。そうなんです、AIに負けないポイントは「感情」や「あいまいさ」になってくるのです。過去には感情知性(EQ)に関する講義もしておりますのでこちらもあわせて読んでみてください。

看護師様が感情(感情知性)を自在に操って(EI/EQ)心を強く整える方法教えます!

AIと対決するときに「正確さ」や「知識」で勝負してはいけませんwwwこれは圧倒的に負けますwww知識はどうしてもPCスペックに依存するので、これはもはや人間には勝つことは不可能でしょう。なんと言っても広辞苑を丸暗記するなんてAIにとっては他愛もない事なのですから。

ただ誤解してほしくないのは知識がいらないという事ではないですからね!!看護師としての成長を求めるのであれば、日々勉強して知識も貪欲に吸収してください。そしてそれ以上に「検索する能力」というのは今以上に必要になってきますね。

「ネットで検索すれば何でも出てくる!!」これは一部正しいのですが、検索の仕方というもの大切になってきますし、検索した結果の確からしさを判断する為にも自分自身も正しい知識を持っている必要があります。

そしてこれらのような「知識」や「検索力」に付随して何よりも大切になってくる2030年AI時代に看護師様に必要な能力、それは相手の感情をくみ取り相手を喜ばせる(悲しませない)伝達力が重要になります。

というのもやはりAIの決定的な弱点は「人を動かす」という感情という抽象的な事象を軸とした回答をすることが、今現状ではまだ出来ないという事なんです。逆に技術が進みこれまで出来るようになってくると、まさにターミネーターやドラエモンのような映画や漫画の世界はもうすぐそこになるでしょうwww

それではAIに負けない看護師になる為に必要な「人を動かす」には何をすれば良いのでしょうか?これらは過去に結構講義しておりますので、参考までにこちらもご覧ください。

テレビショッピングに学ぶ”人を動かす”のはエビデンスと伝え方!!社会的証明がモンスターペイシェントをファンにさせる!!

犯罪が増えた看板の理由はなんだ?”伝え方”でこんなに変わる人間関係を改善するポジティブ効果~

ポイントになることは大きくは2点になります

AIに負けない看護師になる為の伝達方法のポイント

1:必ず伝える目的を考える
2:事実を伝えるのではなく「人が動く言葉」を意識して伝える

大きくはこの二つを守っていけば、AIに負けない言葉を伝えることが可能になりますよ。つまり日々の業務の中での意識をほんの少し変えて「伝え方」を意識する事が、2030年時代に必要とされる看護師様になると思います!!

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