◇:寝る前の行動が明日を素敵な一日に変える
看護師が訪問看護ステーションや病院で働いていれば、「明日出勤するの嫌だな、心配だな。」と感じ、考えすぎて眠れなくなってしまう経験をした事が少なからずあるでしょう。「こんにちは!!」と利用者や患者に声をかけたら、「看護師さん、疲れてませんか?」と言われたら、まだ疲れが取れてないなとか、またモヤモヤと悩んじゃうな…と感じてしまいませんか?
悩むこと考える事は成長に繋がりますが、モヤモヤとずっと悩み続けてしまうのは心身に良い影響を与えません。今日の講義はまさにココです。モヤモヤずっと悩んでしまう事を解決しましょう!!寝る前の10分で明日の不安が減り、集中力が高まる方法を徹底解説していきたいと思います。
今回お伝えしたいのはシャットダウン・リチュアルとリハーサル・ループというものになります。確かに心理学の授業みたいで、難しそうだな…と感じますが、伝えたい事はシンプルなので安心してください☆これで今日の悩みがなくなって、明日の看護業務が楽しくなりますよ♪
◇:シャットダウン・リチュアルってなんですか?
シャットダウン・リチュアルってなんですか??これは寝る前に脳をオフにしてあげて、しっかりと脳を休ませること(シャットダウン)により、翌日の脳のパフォーマンスを上げるという習慣(リチュアル)を持ち、明日の脳のパフォーマンスを上げましょう!!という話なのです。
コンピューターサイエンスや生産性の向上を研究しているカル・ニューポートさんが提言している方法になるのですが、一日の終わりや仕事の終わりに脳を休ませる(シャットダウン)時間をとり、その日一日を締めくくる儀式(リチュアル)のようなものを行った方が良い!!と提言しているのです。
儀式と聞けば、両手をあわせて空にかざして、不思議な舞を踊るなんて想像しますが(笑)そんなスピリチャルなものではなく、日々の習慣やルーチンにすると脳に良いと提言しているのです。
つまり看護師が訪問看護ステーションや病院での看護業務が終わり就寝する前に、「今日やるべきことは全部終わりましたよ!!」と脳に教え込めば、不思議と不安や悩みが軽減されるという事なのです。
看護師に限らず今日の失敗や悩み、看護部長や室長、利用者や患者に怒られた事ってどうしても引きずってしまいませんか?つまり脳を一度シャットダウンさせてあげないと、いつまでも脳がオフにならない為に、緩やかに働き続けてしまうのです。今日は今日、明日は明日。明日は明日の風が吹くって事ですね。
つまり脳をシャットダウンさせることをしなければ、今日の悩みや不安をずっと引きずってしまい、翌日に悩みも疲れも引きずってモヤモヤしまう為に、本来の看護師の力を発揮する事が出来なくなってしまうのです。
◇:それでは寝る前に何をすれば不安がなくなるのですか?
それでは訪問看護ステーションや病院で起きてしまった失敗や不安などを忘れて、自分の脳を一旦シャットダウンさせる為に何をすれば良いのでしょうか?この後により詳しく説明していきますが、「書く」という行動がポイントなのです。
特に「明日の予定」や「明日のやるべきこと」を書き出すことによって、脳は「今日の事は終わったんだな。では明日に向けて切り替えよう!!」と脳が働き、リラックスし今日の悩みや不安をシャットダウンできる効果があると言われています。
この書き方にはコツがあるので、この後さらに詳細をお伝えしますね。例えば寝る前に日記を書いているのですがこれも効果的ですか?と日記を書いている看護師は思うかもしれません。確かに一日の振り返りを「書く事」は、ストレス解消にもなります。
それにあわせて「明日はどんなことをするのか?」という事も書き留めると、人間の脳は「今日あった嫌な事は終了!!」と明日に脳が切り替わり、今夜はリラックスしようかなと落ち着くのです。
◇:何かがずっと心配になってしまうリハーサル・ループから抜け出そう!!
「あ、また難しい言葉(笑)」と思わないでください。これは神経科学者のダニエル・J・レヴィティンさんが提言しているのですが、「人間は何かを気にかけているとそれを忘れることを脳が恐れてしまいます。脳の灰白質という場所がありここが常に動いている状態になってしまいます。」と伝えております。
つまり「不安や悩みを忘れたい!!」と思えば思うほど、脳は反対に「気にするって事は忘れはいけないん事なんだ。」と反応してしまい、常に気になっている事や、心配な事が忘れられない状態になってしまうのです。心配がループしてしまう(忘れられなくなる)のでリハーサル・ループといいうのですね。
この状態をリハーサル・ループと呼び、自分の気になっていることがずっと頭の中で繰り返されてしまいます。つまり不安や悩みのリハーサルが繰り返されて、何かがずっと気になってモヤモヤしているような状態になってしまいます。利用者や患者に怒られたり、看護業務で失敗してしまえば気になって、なんかモヤモヤしてしまった事はありませんか?
このリハーサル・ループの状態になってしまうと、寝付けなくなったり、ずっと心が休まらない状態になってしまうので、看護師が笑顔で利用者や患者と接する事が難しくなってしまう可能性もあるのです。そしてたとえ眠る事が出来たとしても、脳は「不安や悩み」を無視式に考え続けてしまい、脳が休まる事がなくなってしまうのです。
寝ている時に人間は脳の記憶や整理をします。例えば先輩看護師から「明日〇〇するから忘れないでくださいね!!」って言われたことを忘れてしまったり、利用者や患者と話していた内容も「誰と話した会話だっけな?」と忘れてしまう可能性だってあるのです。つまり日々の看護業務に大きな支障が出てしまうのです。
ですので、仕事の終わり、一日の終わり、つまり寝る前10分で良いのでシャットダウン・リチュアルを行い、今日の不安や悩みを浄化して脳を休めてあげないと、脳はモヤモヤ何かを気にしてしまい、今日の記憶を忘れたり、明日の集中力が保てなくなってしまうのです。
この時間になったらリラックスして「明日の事を書き出す事」をルーチンとして習慣化させれば、脳がリフレッシュし、不思議と目覚めが良く集中力や判断力が高い状態になるのです☆今日の不安や悩みとサヨナラ出来て、明日の仕事が笑顔になる可能性が高いので、是非実践してみてください!!
◇:明日の事を書き出すって具体的に何を書けばいいのですか?
不安や悩みがモヤモヤと続いてしまって脳が休まらないのがリハーサル・ループって状態なのはわかりました。それを解消するために「明日の事を書き出す」シャットダウン・リチュアルが大切だって事もわかりました。それでは具体的にどのような事を書き出せはより効果が高くなるのでしょうか?
この明日の事を書き出す時のポイントも科学的には実証されているようです。ポイントは3つあります。
◇:不安や悩みを解消する「明日の事を書き出す」3つのポイント
1:タスクを書くのではなく、明日の予定(スケジュール)を書く
2:障害と対策を書く
3:飽きる事を防ぐために、挑戦したい事を書く
それでは1つ1つ説明していきましょう!!
◇ 1:タスクを書くのではなく、予定を書く
明日の事を書くと聞けば「訪問看護ステーションや病院で働く」と書く事を想像するかもしれませんが、明日しなければいけない事を予定として組み込んで書き出すようにしましょう!!つまり「〇時~〇時 〇〇をする」のようなイメージになります。ここで注意しなければいけないのは「明日のタスク」を箇条書きで書き出すのは避けた方が良いです。
なぜならタスクを書き出そうとすると責任感の強い看護師は、明日の事だけではなく、自分の業務の一覧のようになる傾向が強く、明日の予定ではなくなっている事が多いのです。
業務一覧になってしまえば明日一日で終わらない仕事量を書き出してしまい、当日を迎えたときに「半分も終わらなかった…」と逆に「私って駄目な看護師だ…。」と自己嫌悪を持ってしまい、結果的に自ら悩みや不安を生み出してしまう可能性が高いのです。
ですのでシンプルにスケジュールを書き出すのが良いでしょう。「〇時~〇時は利用者訪問」や「〇時~〇時 〇〇へ移動」等々を記入していけば、1日に出来る現実的な仕事量を可視化する事が出来るので、明日終わらないものは、他の日にやろうと、整理する事が出来るのです。自分一人の力でできないなら室長や主任に相談してみよう!!と代替案を考える事もできます。
しかし突発的な事が多い看護業になる為にスケジュールを決めても、思うように進まない事も多いでしょう。その為に書き出した予定に対して障害と対策も書いておくと、より不安や悩みを払しょくし、脳を休ませる効果が高くなるのです!!
◇ 2:障害と対策を書く
看護師の仕事はどこで何が起きるかわかりません。ある意味これらの突発性を加味しないと、スケジュールが狂ったり、やるべきことがそもそも出来なくなってしまう可能性が高くなるのです。
つまりこれらの突発性を加味しながら、もしもやるべき事が出来い可能性があるなら何か?そうなったらどうするのか?という障害と対策を書くとより、シャットダウン・リチュアルとしては効果的です。言い換えれば、この時点で今日の悩みや不安を考えているのではなく、明日に向けた事に脳が切り替わっているのです。
明日の予定を書いたらまずは眺めてみましょう!!もしも予定通りに進まなかったら、どんな問題が起きたり予定が狂ってくるのかな?を考えていくのです。そうすると「利用者様の急変があるかな」とか「渋滞にはまってしまって到着時間が遅れるかな?」と経験をもとに、予定が上手くいかない予測が立てることが可能になります。これらを書き出してみましょう!!
そして予定が上手くいかない可能性がある障害を書いたら、1つ1つに対して対策も考えておきましょう。例えば「利用者様の急変が入った」という予定が上手くいかない障害の可能性があるなら、「室長に相談して、他の看護師に訪問してもらう。」などの対策を書いておけば、実際にその障害が起きたとしても、想定していた事なので焦ることなく対応できます。
1か月もこのシャットダウン・リチュアルをしていけば、よほどの想定外な事を除いてほとんど障害を想定する事も、対応策も書き出すことが出来ます。また予定に関してはゆとりをもってスケジュールを抑えましょう。30分くらいかかるかな?と思ったら45分や60分時間を押さえておけば、もしも30分で終わらなくても、時間にも心にも焦ることなく余裕が持てます。
ここまで行えば、意識は完全に明日に向いているために、脳は完全に切り替わります。今日の悩みや不安をシャットダンする事が出来ますし、明日の悩みや不安を悶々と考えてしまうような、リハーサル・ループを防ぐことが可能になります☆そして脳がしっかりと休むことが出来るので、明日は集中力も高く、判断力がある状態で看護業務をする事が出来るのです!!
◇ 3:飽きる事を防ぐために、挑戦したい事を書く
同じことを続けていると慣れてしまい飽きがきます。特に予定が看護業務である訪問看護ステーションや病院の事だけになってしまえばなおさらです。飽きを防ぐためにも、挑戦してみたい事を1つ2つ入れておくと良いでしょう。
明日の予定のすべてが訪問看護ステーションや病院の事になってしまうと、義務感しかなくなってしまいます。義務が続けば飽きにつながるので、挑戦してみたい事も書いておくと好奇心が出て、より脳に良い影響を与えます。挑戦と言っても達成不可能な挑戦ではなく、簡単な事で問題ありません。
例えば「気になっていた海外ドラマを見る」でも良いですし、「欲しかった洋服を見に行く」でも全く問題ありません。予定が義務だけにならないように、ほんの少しでも変化をつけてみると、飽きを防ぐことができるのです。
ここまでくれば完全に脳は明日に向けて切り替わっています。つまり今日起きてしまった不安や悩みはシャットダウンされている可能性が高いのです。そして脳もしっかりと休まり、モヤモヤと同じことで悩むことも減るでしょう!明日はきっと判断力も集中力も高い状態になっているでしょう!!ぜひ実践してみてください。
シャットダウン・リチュアルは凄い効果的だと思います!!でも今働いている訪問看護ステーションや病院はもっと根深い問題なんです…と看護師が思ってしまうのであれば、それは確かに別の問題でしょう。
今の環境は働きにくいなと感じてしまっても、必ず逆に看護師が働きやすいな!!と思う職場があるのです。利用者や患者に笑顔や元気を与える看護師は自らも明るく笑顔でなければいけません。そんな太陽なような看護師になれる場所が必ずあるので、今の環境にお悩みがあればいつでも相談してください。