人間関係さえも変える「人は変われる」を実証する科学的データ

◇:「30歳過ぎたら性格なんて変わらないよ」って本当ですか?

大人になったら性格は変えられない!看護師様も一度はこんな話をしたことあると思います。訪問看護ステーションや病院でも「あの看護は入社してからずっとイライラしてる。もう性格は変わらないわ。」とか「室長の訪問看護に関する考え方が古いと思う。でももう変わらないよね」と話した記憶もきっとあるでしょう。

もちろん「人は変われるんだ!」という考え方もあります。例えそんなイライラしている看護師がいたとしても、「きっと誰も教えてあげてなかっただけ。この看護師だって変わるわ!」とか「訪問看護は日進月歩。新しい訪問看護の考えを教えてあげればきっと変わります!」と人は変わる事ができる!!と考えている看護師も沢山いらっしゃると思います。

実際に入社してきた新卒の看護学生や、中途入社の看護師に「人は変われないんだよ」なんて言ってしまえば教育の意味がなくなってしまいますよね(笑)利用者や患者に行ってしまえばなおさらです。つまり人間というのは本能的には「人は変われる」と信じたいのですが、経験的には「人は変われない」と考えているのです。

このよう「nあ人は変われるのか?それとも変われないのか?」という2通りの考え方を研究したのがキャロル・ドゥエック博士になります。今日の講義のテーマはまさにココです!!

自分自身の為にも、そして利用者や患者の為にも「人は変わる事ができるのか?」を科学的に検証していきましょう☆彡そして結論的に言えば人は変わる事ができるというその思いを持っていれば、人間関係で悩むことも少なくなり、肉体的にも健康になり、人間関係のストレスからくるIQの低下を防ぐことが出来る!!という実験結果の話もしていきます。もしも人間関係に悩んでいる人がいれば、この講義の後には気持ちがスーッと楽になっているかもしれません。

◇:「人は変われるのか?変われないのか?」を検証してみる。

訪問看護ステーションや病院で働いれば、きっと共に感じる事があると思います。患者や利用者たちの心境や身体的な変化を見れば「人は変われる!!」と思いますし、変化のない看護師を見れば「人は変われないよね…」と感じるでしょう。キャロル・ドゥエック博士はこの相対する2つを下記のように考えました。

成長マインドセット:人は変わる事が出来る
固定マインドセット:人は変わることが出来ない

さあ、看護師の皆様はどちらの考えですか?もしも自分が声優になりたいと思ったときに、もう歳だし自分には才能がないからどうせ頑張ったって意味がない!!と思うのが固定マインドセットの考え方になります。

逆に、自分には才能や経験はないけど、努力していけばなんとかなる」とか「やればできる!!」と、人は努力をすることで少しでも変わる事ができるという考え方は成長マインドセットと言えます。

どちらが正しいのか正しくないのか?は確かに難しい問題です。しかし考え方としては様々な先行研究の実績から見れば、「人間はある程度変わる事ができる!」とか「やればできる!!」という考えを持っている方が、頭も良くなり健康にもなれる事が確認されています

◇:人は変われる!!やればできる!!は本当なのか検証してみる

成長マインドセットのような「人は変われる!」とか「やればできる!」という考えの方が、頭が良くなると考えれば、訪問看護ステーションや病院で会う看護師や、利用者/患者に対しても努力の大切さを伝える事が出来ると思います。

この成長マインドセットは沢山の研究があるのですが、カリフォルニアの高校で行われた、158名の生徒に対して実験を行った研究があります。新学期の始まりにアンケートをとり、一年後にもう一度アンケートに答えてもらい、学生たちのメンタル状況の変化を調べた実験になります。

どのようなアンケートかと言えばとてもシンプルなもので、「人間は変わる事ができると思いますか?」という質問をしました。努力や自分の行動によって、人生を変える事が出来るのか?を学生たちに尋ねたのです。

学生のみならず、この質問は究極の質問ですよね(笑)看護部で同じ事を聞いてみても意見が分かれて議論が白熱するでしょう。実際に今回の実験ではまずアンケートをとり、その1年後に追加調査をして学生たちにどのような違いが表れているのか調べた結果、たった1年で「人は変われる/やればできる」と思っていた学生たちほど、「人は変われない」と思っていた学生に比べて自己肯定感が強くなっていました。

自己肯定感とはナルシストって事や妙にポジティブな人って意味合いではありません。自分をちゃんと認める事ができて前に進むことができ、正しい自信を持つことが出来る力の事です。さらに成長マインドセットがある学生たちは、ストレスが少ない傾向も確認されており、不安を感じる事も少なく、病気になる事も少ない傾向がありました。

考え方一つでここまで変わるのであれば、成長マインドセットである「人は変われる」とか「やればできる」という考え方を持つことが、訪問看護ステーションや病院でも人生でも、困難が目の前にあったとしても良い方向に向かうという事ですね。

◇:いじめが減る!?人間関係にも成長マインドセットは大切な考え方になります。

あって欲しくない事ですが、職場でいじめを経験したり嫌な経験をした看護師も少なくありません。別の実験になるのですが、この成長マインドセットを使う事で、人間関係のストレスが著しく減ったという研究があるのです。

どのような実験かと言えば「1分で伝えられる言葉」を学生たちに伝えたのです。訪問看護ステーションや病院で自分の知り合いの看護師が悩んでいたら、是非伝えてあげると良いでしょう。この言葉を伝えてあげる事で胸がスーッと楽になるかもしれません。それではどのような事を伝えたのでしょうか?

人間には変わることができる力があります。
もし仲間外れにされたりいじめを受けたとしても、それはあなたの性格に直すことができない欠陥があったり、あなたという人間そのものに問題があるわけではありません。

この言葉を伝えると対人関係や人間関係で悩んでいた学生たちのストレスが軽減されました。いじめを受けると自己否定をしてしまい「自分が悪い」と思ってしまったり、「いじめられているあなたにも原因がある」と心無い言葉を伝える傾向があります。つまり自己肯定感が持てなくなるのです。

しかし、人間は変わる事が出来るので、「いじめられている自分が悪い」そんな事は絶対にありません。いじめを受けて仲間外れにされても、それは自分の性格が悪いとか、自分がダメな人間なんだなんて思う必要は一切なく、人間は常に変わっていくものだと伝えたのです。そしてそれと同時に、もう一つ伝えている事があります。

また、仲間はずれやいじめをしてくる嫌な人がいたとして、
その人たちも変わることができる力を持っています。

決して根っからの悪人ではないし、そこに複雑な動機があったり何かしらの理由があるために、今あなたのことをいじめたり仲間はずれにしているだけです。

「いじめている人は、生まれもっての意地悪だから変わらない!!」という考えではなく、意地悪をしている看護師だって、変わる事が出来る存在なんだと伝えているのです。

今はひどい事をする看護師かもしれないですが、人は誰しも変わる事ができる可能性があり、いじめっ子もいじめられっ子も、その周りにいる人たちも、みんな変わる力がある事を信じてほしいという話をしたわけです。

「自分は変われるんだ!!」と思える人はきっと多いでしょう。過去の経験から「自分は変わった!」と言える経験があるからです。しかし「いじめっ子も変われる」と他人も変われるんだと考える事ができる人は少ないでしょう。「あいつは変わらないんだ!」と切って捨ててしまいませんか?

改めて言われるとドキッとしませんか?自分は努力すれば変われる、自分が頑張れば未来は良くなる!となんとなく考えると思います。

しかし他人に関しては「人は変われない」と決めつけてしまう事が多くありませんか?

「生まれもっての性格だから変わらないよ。」とか「あの歳になってからは変わらないわ。」とか「言ったって変わらないんだから言うだけ無駄よ。」と切り捨ててしまう事はありませんか?自分は変わるのに、他人は変わらないと切り捨てていませんか?自分が変わると思うならば、この考え方も変わりますし、変えなければいけないのです。

◇:人間関係や対人関係に悩んだら思い出してほしい事

看護師が人間関係や対人関係に悩んだら転職するという手段もあります。しかし転職する事が現実的ではない事だってあります。またどうしても転職という手段をとれない看護師もいるでしょう。

そんな人間関係の中で「どうしていつも私だけっ!」とイラっとしたり、ムッとしてしまう事もあるでしょう。「あの人は変わらない。ずっと意地悪だ」そう感じる時もあるでしょう。そんな時には心の中でこう呟いてみてください。

「人間には変わる力があります。」

看護師の皆さんだって、利用者や患者だって、未来に向かって努力する事により、何かが変わり、今以上の未来を手に入れる事が出来るのです。これは実験の結果でも実証されていますよね。そしてイライラする相手であっても、関係性は今は微妙かもしれませんが、その人だって変わる力があるという事なのです。相手を変えるための努力というのも、自分が変わる証明になるのです。それでもダメなら転職しましょう。逃げではなくこれも自分が変わる為の方法なのです。

余談を挟みながらの説明になってしまいましたが、「人は変われる!」このような事を今回の実験では学生たちに新学期に話したのです。その結果1年後どのような変化があったかと言えば、学生生活のストレスが少なく、成績もよくなっていました。

言い換えれば利用者や患者に関わらずに、周りにいる人に対してポジティブな言葉をかける事「人は変われる」「やればできる」と成長マインドセットを与える事は、自分の人間関係の為にもとても大切な事なのです。年をとったら人は(相手は)変わらないと思いたいだけで、誰しも変わる事が出来るのです。

この研究結果は比較的最近の研究であり、一昔前は「人間は変わらない」とされていました。特に30歳を過ぎたら人の性格なんて変わらないと言われていましたが、最近の性格心理学などの研究結果をみると、別人のように変わることはなくとも、変わる事が出来るというのが主流の考えなのです。

職場でいじめがあったり、人間関係で悩んでいたら「人は変われる」とまずは自分に言い聞かせ、相手も変わる事が出来る力があると信じてみる事もまた、人間関係の悩みを解決する方と言えますね。ぜひ実践してみてください。

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